ホームステイ先で食事をするときのテーブルマナーと英語表現

日本から初めてホームステイをするとき、事前に知っておかなければならないテーブルマナーと英語表現があります。

このことを知らずにホームステイ生活を始めてしまうと、後々になってトラブルになったり、不快な気持ちになったりして充実したホームステイ生活を送ることができなくなります。

「あなたをホームステイさせてよかった」とホストファミリーに思ってもらうためにも、このページでお伝えするテーブルマナーと英語表現は必ず役に立ちます。

ホームステイ先で食事をするときのマナー、そして食事に関わる英語表現を事前に確認しておくことで、快適なホームステイ生活を送ることができます。

このページでは、「ホームステイ先で食事をするときのマナー」を徹底的に解説していきます。具体的には、以下の5つです。

(1)ホームステイの「夕食の時間」が大切な理由について
(2)夕食時の帰宅時間を報告するフレーズについて
(3)ホームステイ先の食事の時間に心がけることについて
(4)「いただきます」「ご馳走様」に代わる言葉について
(5)何か物を取って欲しいときに使えるフレーズについて

この5つを理解した上でホームステイ生活を送るのと送らないのとでは、雲泥の差になります。そのため、今回お伝えする内容を理解し、気分良くホームステイ生活を送るようにしましょう。

目次|このページでわかること

なぜホームステイでは「夕食の時間」が大切なのか

そもそもなぜ、ホームステイでは夕食の時間が大切なのでしょうか?

それは、家族全員が集まり、顔を合わせてゆっくりコミュニケーションをとれるのが、「夕食の時間」だからです。

朝はそれぞれ通勤や通学の準備があるため、ゆっくり家族で会話する時間がありません。

そのため、夕食の時間を利用してその日の出来事を聞いたり、自分が学校であったことを話したりしているのです。つまり、夕食の時間を「コミュニケーションの時間」に充てているのです。

もしあなたが夕食を外で食べるときには、事前にホストファミリーに報告しておくと良いでしょう。以下で具体的なフレーズについて解説していきます。

夕食時の帰宅時間の報告について

上記でお伝えしたように、基本的に夕食は家族全員がそろって摂ります。

そのため、何か用事があっても夕食前までには帰宅する意識を持つことが大切です。もし帰宅時間が遅くなったり夕飯を外で食べたりするときには、事前にホームステイ先の家族に伝えておきましょう。

「夕食を残しておいて欲しい」を伝えるフレーズ

「帰宅時間が遅くなるけど夕食を残して欲しい」ときに使えるフレーズを紹介します。それは以下の通りです。

【「夕食を残しておいて欲しい」を伝えるフレーズ】
・I will be back around 21:00. Could you leave the supper for me?
(21時頃には帰るので、夕食を残しておいて頂けますか?)

帰宅時間が遅くなってもホームステイ先で夕食を食べたいときには、早めに上記のようなフレーズを使ってホストファミリーに報告をしましょう。

前もって連絡をすることで、ホストファミリーもあなたのことを思って食事を残しておいてくれるでしょう。

「夕食を外で食べてくる」を伝えるフレーズ

次に「夕食を外で食べてくる」ときに使えるフレーズを2つご紹介します。

一つ目は、「友達と外で食べたいのですがいいですか?」という許可を得るためのフレーズです。もう一つは、「帰りの時間が遅くなるため、外で食べてきます」と報告をするフレーズです。

【友達と外で食べたいことを伝えるフレーズ】
・I want to eat out with my friends tonight, so I will come back a little bit late. Is that ok?
(今夜は友達と外で食事をしたいのだけど、良いですか?)
【帰りの時間が遅くなるため、外で食べてくることを報告するフレーズ】
・I think I will be back around 21:00, so I will eat out tonight.
(帰りが21時くらいになると思うので、外で食べてきます)

上記で、「夕食は家族全員で摂ることが大切」ということをお伝えしました。

その理由は、家族全員と顔を合わせて話せるのが夕食の時間だけだからです。そのため、家族の一員としてホストファミリーに迎えられた以上、基本的にはホストファミリーと一緒に食事を摂りましょう。

ただ、日によっては友達との都合で、夕食を外で食べたり、学校行事で帰りが遅くなったりすることもあるでしょう。そのようなときに、上記のフレーズを使ってホストファミリーに連絡することをオススメします。

ホストファミリーとの共同生活に慣れてくると、ホストファミリーに甘えて連絡を怠ってしまうことがあるかもしれません。

相手に不快感を与えないためにも、必ずホストファミリーに連絡をして、許可を取って行動する意識を心がけましょう。

次に、ホストファミリーとの食事のマナーについて解説していきます。

ホストファミリーとの食事中にやってはいけないこと

ホームステイ先で食事を摂るときは、ホストファミリーの前で音を立てて食事をすることは、絶対に避けてください。これは必ず守ってください。

音を立てて物を食べるのは海外ではありえません。

日本では音を立てて食べる食べ物がいくつかありますね。例えばラーメン、蕎麦、うどんが代表的でしょう。しかし、海外ではこのような音を立てて食べる文化はありません。

ヌードルやパスタなどの麺を食べるときは音を立ててはいけない

上記でお伝えしたように、海外では音を立てて食べるのはマナー違反です。パスタだけでなく、ラーメン(ヌードル)も同様で音を立てて食べることはありません。

日本ではまれに、パスタを食べるときに音を立てて食べる日本人がいます。しかし、ホームステイをしたら絶対にパスタを食べるときは音を立てて食べてはいけません。

そのため、もしあなたが日頃から麺類を食べるときに音を立てて食べている場合、必ずホームステイ先でお世話になる前に音を立てて食べる癖を直す必要があります。

スープやコーヒーなどを飲むときも音を立ててはいけない

ヌードルやパスタなどの麺の他に「スープ」や「コーヒー」などを飲むときも同様で、音を立ててはいけません。理由は同じく音を立てて食べたり飲んだりすることは、行儀が悪いと思われてしまうからです。

もし夕食にパスタとスープが出され、あなたが音を立てて食べていたら周りはどう思うでしょうか?

「音を立てて食べるなんて失礼な奴だ」「行儀が悪いな」と思われてしまいます。そのため、麺を食べたり、スープを飲んだりする機会に出くわしたときは、音が出ないように気をつけるようにしましょう。

実は、私がホームステイ先で夕食を摂ったときに上記の経験をしました。具体的には、夕食時にトマトスープが出され、スープを飲むときに音を立ててしまったのです。

このときのホストファミリーの対応としては、「Don’t make noises when you eat soup.(スープを飲むときは音を立ててはいけないよ)」と私に伝えてくれました。そして、海外では音を立てて食べるのは行儀が悪いことを教えてくれました。

当時、私は15歳で初めてのホームステイだったこともあり、非常に恥ずかしい思いをしましたが、このことはとても貴重な教訓となりました。

食事中はクチャクチャ音を立てて食べてはいけない

音を立てて食べることが行儀の悪いことと同様に、口をクチャクチャして食べないことが挙げられます。クチャクチャ音を立てることも行儀が悪いため、相手に不快感を与えてしまいます。

これでは食事そのものを楽しむことができなくなります。

このような事態に陥らないためにも、ホームステイ先では口をクチャクチャして食べないように気をつけてください。

クチャクチャ音を立てて食べていることは、自分ではなかなか気付かないものです。なぜなら、自分の背中は自分では見えないのと同様で、自分が無意識におこなう行動は気付きません。

そのため、ホームステイ生活を始める前に自分の食べ方を確認しておくことをオススメします。例えばあなたのご両親や仲の良い友人に、自分がクチャクチャ音を立てて食べていないか聞いてみると良いでしょう。

このように自分の行動を周囲に確認し、悪いクセを直すことで、ホームステイ先で安心して食事を楽しむことができます。

食事中はお皿を持って食べてはいけない

音を立てて食べないことの他に、「お皿を持って食べないこと」が挙げられます。

日本ではお茶碗を持ったりお味噌汁のお椀を持って食べたりしますが、海外ではお皿を持って食べる習慣はありません。

そのため、ホストファミリーと食事をしたときは間違ってお皿を持って食べないようにしてください。

食事中は髪をいじってはいけない

これは男性より女性が多いですが、ホストファミリーとの食事中は絶対に自分の髪をいじらないようにしましょう。

食事中に髪をいじる行為は「行儀が悪い」とみなされます。

また、自分のお皿だけに髪が落ちるならまだしも、誤って髪が抜け共有用のお皿にその髪が落ちてしまったら周りは気分を害してしまうでしょう。

そのため、もし髪が長い場合は食事中だけ髪をヘアゴムで縛るなどして、髪を触らないよう、また髪が落ちないように工夫しましょう。

自分が食べられる量だけ取り皿に分けなければいけない

ホストファミリーと食事をするときは、必ず自分が食べられる量だけ取り皿に分けることが大切です。

そのため、最初から食べきれないのをわかっていた上で、たくさんの量をお皿によそうことは好ましくありません。

例えば、共用のお皿でテーブルに運ばれた食べ物を小皿に分けるときは、必ず自分が食べられる分だけ取り皿に分けるようにしましょう。初めから自分が食べられる分だけ分けることで食べ物を粗末にせずに済みます。

万が一、たくさん取り過ぎてしまった場合でも、それは食べるようにしてください。なぜならお皿に取り分けた分は、「私はそれを食べられる」という意思表示になるからです。

コツは「少しずつ取り皿に分けていくこと」です。特に夕食の場合は、食べた後に消費するエネルギーは日中と比べて少ないです。そのため、満腹に食べる必要はありません。

ここに自分が食べられる量だけ取り分けるメリットが2つあります。

1つ目は、少しずつ取り皿に分けることで食べ過ぎを抑えることができます。

上記でお伝えしたように、夕食後に消費するカロリーは少ないため、自分が食べられる量だけ摂ることで健康的な体を維持することができます。

2つ目は、自分が食べられる量だけお皿に取り分けることで、ホストファミリーはあなたのことを「マナーが良い留学生だ」と好印象を持ってくれることです。

上記2つの理由も含めて、自分が食べられる量だけお皿に取り分けると良いでしょう。

「それ取ってくれますか?」を英語で伝えるフレーズについて

ホストファミリーとの食事中に取って欲しい物があったとき、どのように伝えれば良いのでしょうか?

私自身、ホームステイ先でホストファミリーと一緒に食事をしているときに、「それ取ってくれますか?」を何という英語のフレーズを使えば伝わるのか悩んだことがあります。

実際ホストファミリーと一緒に食事をしていると、取って欲しい物が出てくると思います。例えば「塩を取ってほしい」「フォークを取って欲しい「砂糖を取って欲しい」などがあるでしょう。

例えばここでは、「砂糖を取って欲しい」を英語で伝えるフレーズをご紹介します。それは、以下の通りです。

【「砂糖を取ってくれますか?」を英語で伝えるフレーズ】
・Could you pass me the sugar please?
(砂糖を取っていただけますか?)

上記のように聞けば取ってくれるでしょう。例として「砂糖(sugar)」を用いましたが、sugarの箇所を「塩(salt)」に変えることで、「塩を取ってくれますか?」に変わります。

このように取って欲しい物の単語を置き換えるだけで、いくらでも組み立てることができます。ぜひ覚えてください。

「いただきます」や「ご馳走様」に代わる英語のフレーズについて

日本では食事をするときと終えたあとに、「いただきます」と「ご馳走様」の一声がありますね。しかし、英語には「いただきます」や「ご馳走様」の言葉はありません。

そのため、いただきますの代わりに食べ物が「美味しそう」と思ったら、「Looks delicious」と伝えると良いでしょう。また「良い匂い」がしたら、「Smells good」で通じます。この2つの表現方法を覚えておくと便利です。

「もうお腹いっぱい」「ご馳走様」を伝えるフレーズ

十分に食事を食べたら、「もうお腹いっぱいです。とても美味しかったです。ありがとう」と伝えたいと思うのではないでしょうか。

このとき、日本語の「ご馳走様」の代わりに伝える英語での表現方法として以下のものが挙げられます。

・It was really good. Thank you very much.
(とても美味しかったです。ありがとうございます)

・I’m full now. Thank you.
(お腹いっぱいです。ありがとう)

・I’m so full. I can’t eat anymore. Thank you.
(とてもお腹いっぱいです。もう食べられません、ありがとう。)

上記のうち、どれか1つを選ぶようにしましょう。

日本語のように「いただきます」や「ご馳走様」の言葉がないため、上記で紹介したフレーズを使って、食事の前後で伝えましょう。きっと、ホストファミリーはあなたに好感を持ってくれるでしょう。

まとめ

ホームステイ先で食事をすると、日本で生活していたときとは違った食生活を経験することになります。

日本の場合は左側にお茶碗、右側にお味噌汁というのが基本的な型です。また、日本では麺類を食べるときに音を立てて食べますが、海外では音を立てて食べると「行儀が悪い」と見なされます。

このように日本で常識とされていることが海外では通用しない場合があります。このような経験もホームステイをすることで得られる一つの財産でしょう。

上記でお伝えした内容と食事のときに役立つ英語の表現方法を理解した上で、ホームステイ先で食事を摂るときはテーブルマナーに気をつけて、ホストファミリーと食事を楽しんでください。