ホームステイをすると、日本とは違った使い勝手を必要とするものがあります。それが「お風呂(シャワー)とトイレ」です。
ホームステイをする国や家庭にもよりますが、基本的にお風呂(シャワー)とトイレは「同室」にある家庭が多いです。
そして、お風呂と洗面台が一緒になっていることを「2点ユニットバス」と呼び、お風呂・トイレ・洗面台の3つが揃っていることを「3点ユニットバス」と呼びます。ユニットバスは、「周りの壁・床・天井が一体となっているお風呂」のことを指します。
そして海外では、「3点ユニットバス」を採用している家をよく見ることがあります。また、家庭によっては、ホストファミリーが使うトイレと留学生(ゲスト用)が使うトイレは別室になっている家庭があります。
そこでこのページでは、ホームステイ先での「お風呂(シャワー)の使い方とトイレの使い方」についてご紹介します。
目次|このページでわかること
ホームステイ先でシャワーを使うときに注意すること
海外でホームステイをする場合、お水の使い方には気をつけるようにしてください。滞在する国やホームステイ先にもよりますが、基本的に海外の人たちは節水を心がけています。
例えば、海外ではお風呂場の浴槽にお湯を溜める習慣はありません。日本のように、「毎日シャワーが終わった後に湯船に浸かり体を温める」などの習慣はありません。そのため、現地の人たちはシャワーで済ませることが基本的に多いです。
滞在する国やホームステイ先のファミリーの考え方によっても異なりますが、ホストファミリーの許可を得ずに勝手にお湯を湯船に溜めるのはやめた方が良いです。なぜなら、水の使い過ぎが原因で、ホストファミリーとトラブルを引き起こすことになるからです。
そのため、シャワーのお湯を出しっぱなしにして、頭を洗ったり体を洗ったりするのはやめた方が良いです。体や頭を洗うときは、その都度、水を止めて使うようにしてください。
このように海外では、水は貴重なものとして考えられています。そのため、1回のシャワーの使用時間も多くの家庭では決められています。一般的に、シャワーを使う時間の目安として5〜15分が多いです。
日本に住んでいたら、5分は考えられないと思うかもしれません。しかし、ホームステイをする国・地域にもよりますが、実際に上記のような時間でシャワーを浴びるのが基本です。
そのため、長時間の間に水を出しっぱなしにするのはやめるようにしてください。無駄な水を使うと、ホストファミリーに怒られる原因にもなります。
このように、節水の考えを尊重して無駄使いをしないように気をつけるようにしましょう。そして、これも「ホームステイだからこそ経験できること」と考え、文句などを言わないように気をつけましょう。
ホームステイ先でシャワーが使える時間が短いという悩みを解決させるために、事前にあなた自身でできることがあります。その方法が、ストップウォッチを使ってシャワーを浴びている時間を計ることです。
これを日本にいるときに体験しておくと、「ホームステイ先で自分がどのくらいシャワーを浴びれば良いのか」を体感して覚えることができるでしょう。
これをホームステイ前に行っておくと安心です。なぜなら、いきなり現地で5〜15分のシャワーを浴びるのではなく、日本にいるときから「現地でシャワーを浴びているかのような感覚」を体に覚えさせておくことができるからです。
このように、時間を細かく計るためにストップウォッチを利用してシャワーを浴びるのも一つの手でしょう。確かに、「海外ではシャワーを浴びる時間は短い」という事実は一つかもしれません。しかし、解釈は自分で自由に変えることができます。
ホームステイを体験する準備の一つとして、シャワーを浴びている時間を計るのも面白いのではないでしょうか。
海外ではシャワーは夜ではなく、朝に浴びる人が多い
日本人は、基本的に毎晩シャワーやお風呂に入るのが習慣となっていますね。学校や仕事終わりにお風呂に入り、1日の汗を流すことが常識となっていることでしょう。しかし海外では違います。
実は海外では、一般的に夜ではなく朝起きてシャワーを浴びる人が多いのです。そのため、シャワー後に湯船につかってお風呂に入るという人も基本的にはいません。もちろん、すべての家庭がそうというわけではありませんが、大体の家庭はシャワーを朝に浴びます。
なぜ、夜ではなく朝にシャワーを浴びるのかというと、海外では「朝にシャワーを浴びることで目を覚ます」という考えがあるからです。そのため、寝る前にシャワーを浴びる人というのは実は少ないのです。ただ、これも家庭によって異なります。
もしあなたが朝ではなく、その日の夜にシャワーを浴びたい場合は、ホストファミリーにそのことを伝えれば問題ないでしょう。習慣の違いを相手に伝えることは悪いことではありません。
ただ、ホストファミリーの習慣に従うことは、日本の習慣と留学国の習慣の違いを知る良い機会になります。少なくとも一度は、夜ではなく朝にシャワーを浴びる体験をするのも一つの経験になるのではないでしょうか。
ちなみに私が経験したホームステイ先では、旦那さんが夜ではなく朝にシャワーを浴びる人でした。また、長期留学をしてカナダ人の家に泊まったときは、その友人も朝にシャワーを浴びていました。これは冬でも同じです。
このように、すべての家庭が朝にシャワーを浴びるわけではありませんが、「日本と海外ではシャワーの浴び方が違う家庭もある」ということを認識しておいてください。
シャワーを浴び終えたら洗面台や浴槽は洗っておくこと
シャワーを浴び終えた後は、浴槽に髪の毛が落ちていないか確認するようにしてください。髪の毛やシャンプーなどの泡が浴槽や洗面台に落ちたまま浴室から出てしまうと、次の人が不快な気持ちになります。男性の場合は、髭剃りを終えた後には必ず水で綺麗に流すようにしましょう。
ホストファミリーにとっては、汚れたまま浴室を出ると不快な気持ちになります。ファミリーによっては、叱られる原因を自分で作ってしまうことになります。そのためシャワー後などは、浴槽の周りや洗面台を水で流して綺麗にするようにしてください。
このように流しておけば、ホストファミリーに文句を言われたりトラブルを引き起こしたりしないでしょう。また、髪の毛が溜まっていたらティシュなどで拭き取り、元栓をつまらせないようにすることも大切です。
このようにホームステイ先では、綺麗に利用する習慣を身につけるようにしてください。
ホームステイ先でのシャワー後の服装について
ホームステイ先でシャワーを浴びた後の服装について注意しておきたいことがあります。それは、基本的にパジャマなどの「シャワーを浴びた後の服装」では、リビングなどには行かないようにすることです。
基本的に海外では、夜に食事を摂ったあとはリビングでテレビを見たり家族とお喋りをしたりして、ゆっくり過ごすファミリーが多いです。そのため、そこにパジャマを着たあなたが居たらどうでしょうか? 周囲はあなたに対して少し違和感を覚えるはずです。
なぜなら、パジャマを着てリビングなどに居ると、寝る気満々な雰囲気を相手に漂わせることになるからです。そのため、相手に合わせた服装を着てリビングでくつろぐようにすると良いでしょう。これも一つのマナーと考えるようにしてください。
例えば、パジャマの代わりにTシャツにスウェットパンツなどの楽な格好がオススメです。そして寝る前に自分の部屋で、「パジャマ」や「Tシャツにスウェットパンツ」などの寝間着(ねまき)に着替えて眠ると良いでしょう。
私の場合は、パジャマを日本から持って行きませんでした。そのため、基本的に夏はTシャツに薄いハーフパンツで寝ていました。冬であれば長袖にスウェットパンツで十分でした。
また、パジャマに着替えるときは自分の部屋で着替えるなどして、相手の見えないところで着替える方が好ましいです。このことを理解した上で、シャワー後の服装には気をつけるようにしましょう。
ホームステイ先でのトイレの使い方について
トイレの使い方もホームステイ先によって異なります。冒頭でお伝えしたユニットバス形式の家庭の場合、誰も使用していないときはトイレのドアが半開きで開いている場合があります。一方、誰かが使用しているときはドアが閉まっているという状態です。
そのため、基本的にはドアが開いているときは、誰も入っていない状態ということになります。日本の場合、トイレを使う前も使った後もドアが閉まっているのが基本です。
しかし海外では、トイレを使用した後にはドアを開けている家庭もあります。
具体的には、ドアを開けっ放しにする理由は、「空いている」ことを周囲に知らせるサインになります。逆に、閉まっているときは「使用中」ということになります。
ただ、日本では使用前も使用後もドアが閉まっている状態が基本です。しかし海外の場合、人によっては閉まっているにも関わらず「まだ入っているのか。トイレの利用時間が長いな」などと勘違いをする人が出てきます。
トイレのドアをその都度開けておくのかは、滞在先の国や家庭によっても変わります。例えば、私がカナダのバンクーバーで短期留学をしたときのホームステイ先の家庭では、トイレの使用前も使用後もドアを開いている状態でした。
しかし、長期留学で滞在したカナダのレジャイナの場合、現地に住んでいるカナダ人の友達の家に遊びに行ったときは、トイレのドアが使用前も使用後も閉めてありました。
このように、同じ国でも家庭によって習慣が異なります。これはカナダだけではなく、アメリカやオーストラリアでも同じです。
日本のトイレと海外のトイレの「ドア」の違い
日本のマンションや戸建て物件の場合、上記の画像のようにトイレのドアには電気が点滅していることを確認できる小さな透明な窓があります。
このようにトイレに小さな窓がある場合、そのライトを確認して、トイレの中に人がいるかいないかを判断することが多いでしょう。
しかし、海外の家庭の場合、この小さな窓がついている家をほとんど見かけません。そのため、日常的にトイレのドアを開けた状態にすることで「中に人がいない」ことを伝えているということになるのです。トイレを普段から開けている家庭が多い理由がここにあります。
そのため、実際にホームステイをしたときには、トイレの使い方についてホストファミリーに聞いたり自分の目で確かめたりするなどしましょう。そして、滞在先のホームステイに合わせた生活習慣を身につける努力をするようにしてください。
ホームステイ先のトイレでつまりが起きたら
ホームステイをしてステイ先の家でトイレを使う場合、少しの量のトイレットペーパーを使うだけで、トイレの便器がつまることがあります。これは笑い話でも冗談でもなく、本当にあります。
実際に私も経験しました。そのときは、ホームステイ先のトイレ内に置いてあった「ラバーカップ(スッポン)」を使って無事に解決させることができました。
ただ、内心はとても焦りました。この気持ちは実際にその現場に直面してみないと分からないでしょう。
まずトイレが詰まった場合、気持ちが焦って下手にゴシゴシ上下に動かすと、逆にトイレの水が溢れてくる可能性があります。そのため、ゆっくり慎重にラバーカップ(スッポン)で押して空気を入れると良いでしょう。※英語でラバーカップ(スッポン)のことをplungerといいます。
トイレがつまる原因は、トイレットペーパーを使う量が多いときに起こりやすくなります。また、トイレの水の勢いが少ない場合もつまる原因となります。
私はこの経験から、排泄物をするときだけは2回に分けて水を流すようにしました。その結果、トイレがつまることはありませんでした。
いくら水が貴重といわれていても、お風呂とトイレとでは状況が違います。そのため、ホームステイ先で排泄物をする場合は、2回などに分けて流すようにすると良いです。このように行えば、つまる原因を防ぐことができるでしょう。
私自身、このことを書こうか迷いましたがホームステイ生活でトラブルを避けるためには書かなければいけないと思い、正直に書きました。とても恥ずかしい経験ではありますが、今では良い思い出です。
なお、トイレを詰まらせたことを英語で伝える場合は、以下の通りです。
Please don’t use the toilet. Actually I just clogged it.
(トイレを使わないでください。実は、詰まらせてしまいました)
I am so sorry about that. Do you have a plunger that I can borrow?
(本当にごめんなさい。ラバーカップ(スッポン)はありますか?)
もしあなたが、ホームステイをしてステイ先の家のトイレを詰まらせてしまった場合、まずは誠意を持って謝るようにしてください。事故で起こってしまったことですから、仕方がありません。そのため、申し訳ない気持ちをしっかり伝えれば相手は理解してくれるでしょう。
もちろんホームステイを受け入れる側は、「何かしらのトラブルがホームステイ期間中に起きるだろう」という想定はしています。なぜなら、「一緒に生活を共にしていれば多少のトラブルはつきもの」だと相手側も理解しているからです。
ただ、間違ってミスをしてしまった場合は、誠意を持って謝りましょう。人間ですから、誰でもミスはあります。そのため、必要以上に心配しないでください。ただ、ミスをしてしまったときは、「ごめんなさい」という気持ちを相手に伝える配慮がとても大切です。
ミスをしても落ち込まず、明るく笑って恥を吹っ飛ばしてしまえば問題ありません。
まとめ
今回お伝えしたように、日本と海外を比較したときに「お風呂とトイレの使い方」は本当にさまざまです。あなたがホームステイをする国によってもその家庭の習慣が違ってきます。
海外では基本的に「水は貴重品」ということを理解した上で、水の使い方には気をつけるようにしてください。そして、シャワーを浴びる時間帯やシャワー後の服装などにも配慮するようにしましょう。
また、ホームステイ先でのトイレの使い方を確認し、使用後はドアを開けたままなのか閉めるのかを確認するようにしてください。トイレの使い方にはくれぐれも気をつけましょう。
このように留学をすると、日本とは違った考えや習慣を体験することができます。
上記でお伝えした内容は、初めて留学する人やホームステイを体験する人にとってすべて初めての体験となるでしょう。
お互いの国の文化や価値観、そして日常生活の習慣を知る良い機会となりますので、好奇心をもって楽しいホームステイ生活を送ってください。