カナダへの留学を検討している方の中で、カナダ留学のメリット・デメリットが気になる方は多くみられます。
例えば、メリットの代表例として「カナダで訛りのない英語の発音が学べる」「人々が温厚でやさしい」「治安が良く世界で最も住みやすい国」などがあります。
一方、デメリットの例は「フィジーなどの格安留学よりは費用が割高」「ホームステイ先がカナダ人とは限らない」「冬の気温が寒い」などがあるでしょう。
上記のようにカナダ留学にはメリットとデメリットがあります。結論、私はカナダに4年間の長期留学ができて本当に良かったと思っています。
そこでこのページでは、私が4年間の長期留学をおこなって実感した、「カナダ留学のメリットとデメリット」について解説していきます。
目次|このページでわかること
そもそもなぜカナダを留学先に選んだのか
私が初めてカナダに留学したのは15歳のときでした。このときにカナダを選んだ理由は、母親が「カナダは治安が良い国」と調べてくれたことがきっかけでした。
さらに詳しく調べてみると、「英語が聞き取りやすい」「治安が良い」「温厚で穏やかな人が多い」「大自然がたくさんある」「英語圏の中で比較的、費用がリーズナブル」など、カナダの良さを深く知り、益々カナダに魅了されました。
まずはじめに、15歳の夏休み期間を利用して2ヶ月間カナダに行きました。はじめにホームステイ留学を1ヶ月体験しました。その後、トロントに移動し、キャンプ留学を1ヶ月経験しました。
この2ヶ月でカナダの素晴らしさを実感した私は、16歳〜20歳の4年間をカナダの高校で過ごすことを決めました。
以下で、より詳しくカナダ留学のメリットについて以下で具体的に解説していきます。
カナダ留学のメリット
まず、以下で詳しくカナダに留学するメリットについて解説してきます。
治安がよく世界で最も住みやすい国
カナダの良いところは、「世界でもっとも住みやすい国」として常にランキングの上位に位置していることです。例えば、「2017ベストカントリーランキング」でカナダは2位に位置付けられています。
ベストカントリーランキングでは、それぞれの国が世界的にどのように認識されているのかを把握するために作られたランキングを表記しています。また、このランキングは21,000人以上の市民調査から、世界80カ国をさまざまなランキングに分けて評価しています。
ランキングの中にある、「Quality of Life(生活の質)」部門でカナダは1位に入っています。
このように世界的に見てもカナダは生活の質が良く、住みやすい国として位置づけられています。そのため、治安の良さについて高い評価を得ています。
高い教育水準と個人を尊重する文化
さらに、「Best Countries for Education(世界で最高の教育を与える)」部門でも1位に入っています。
カナダは語学学校の数が豊富です。特にバンクーバーはカナダの中でも一番語学学校が多いため、留学生の受け入れ数も多いです。
語学学校はもちろん、さまざまな留学の形があります。例えば、専門留学、ビジネス英語やワーキングホリデー、インターンシップ、親子留学など幅広いカリキュラムが用意されており、個人を尊重する文化があります。
個人を尊重するメリットとして、年齢に関係なく個人の意見をしっかり聞いてくれる文化があります。例えば、カナダ人は日本人の私の英語をきちんと聞いてくれたり、必要に応じて自分の英語を正してくれたりして、きちんと一人ひとりを尊重して相手を敬う姿勢があります。
学校生活では、価値観の違いや肌の色の違いなど十人十色ありますが、お互いを受け入れてくれる文化がありました。そのため、学校生活はとても楽しく充実した日々を送ることができました。
また、カナダに留学する学生は、語学学校や高校・カレッジ・大学などで、留学生用のサポートシステムを受けることができます。留学生がきちんとキャリア形成ができるように、留学生専用のサポートデスクが用意されているのです。
事実、私が通っていた高校では、留学生専用の勉強室が用意されていました。学校の授業と授業の合間の休み時間に、教室で習ったことを復習するための勉強室があるのです。
その部屋では、留学生のサポートを専任とするスタッフが常に部屋にいました。そのため、わからないことがあればいつでも相談にいける環境でした。
担当の人は現地のカナダ人です。そのため、自分が英語で質問しなければいけないため、英語力が上達していきます。
このようにカナダでは、留学生が安心して勉強ができるように、留学生専用のサポートデスクが整備されています。
カナダ人は温厚な性格の人が多い
カナダ人は、温厚で人当たりの良い性格です。留学生の受け入れ体制も整っているため、現地での留学生活も非常にしやすいです。また、さまざまな人種が行き交うため、寛容な人が多いのが特徴です。
私自身、15歳でカナダへはじめての海外留学をおこないました。中学校レベルの英語だったため、非常に英語力が乏しかったですが、現地のカナダ人は私のつたない英語を理解してくれました。
このように、カナダ人は留学生に対して非常に優しいため、きっと安心して留学生活を送ることができるでしょう。
生涯の友達が作れる
留学をすると、一生涯の仲間を作ることができます。実際、私は16歳で初めてカナダに留学してから、15年以上の付き合いになるカナダ人の親友がいます。
そのカナダ人の友達は日本で仕事を見つけ、日本人の女性と結婚をして一児のパパでもあります。今では家族ぐるみの付き合いとなり、私は留学したことで生涯の親友と出逢うことができました。そのため、あなたも留学をしたら生涯の友達を作ることができるかもしれません。
私のように生涯の友達を作るには、大切なヒントがあります。それは、その友人が日本に興味を持っていることです。その友人は、日本に対する凄まじい情熱がありました。
日本に対する情熱とは、彼の場合、日本のアニメや漫画、将棋や囲碁などを研究する情熱があったのです。このように日本の文化や流行りの物に触れたいと考える外国人は多いです。
あなたが留学をしたら、日本に興味を持っている外国人と仲良くなると良いです。その出逢いが一生の友になることでしょう。
英語が聞き取りやすい
カナダ人の英語は日本人にとっても聞き取りやすく馴染みやすい英語を話すことが特徴です。そのため、きちんとした英語を身につけることができます。
アメリカ英語の場合、英語の話すスピードはカナダ人が話す英語と比べて早いです。オーストラリア英語には、「オージーイングリッシュ」と呼ばれる英語があり、オーストラリア独特の英語があります。イギリスにも英語に訛りがあります。
私は過去にアメリカとオーストラリアに行った経験があります。実際に彼らの話す英語を聞いて感じたことは、カナダ英語の方が聞きとりやすい印象がありました。
私の経験から、はじめて語学留学をして英語を上達させるならカナダで学んだ方が良いと感じます。もちろん、アメリカやオーストラリア、イギリスなどでも英語を学ぶことができるため否定はしません。
あくまでも個人的な意見として、「はじめての留学でカナダ英語が一番聞き取りやすいのではないか」と感じているのです。
大自然がいっぱい
カナダの良いところは、緑豊かな大自然が広がっていることにあります。
カナダには大自然がたくさんあります。カナダ人は夏になるとカヌートリップやアウトドアキャンプをしたり、冬になるとスノーボードやスキーをしたりするなど、大自然の中でアクティビティーをおこなう人が多いです。
カナダの気候は日本の夏と違ってジメジメしていません。また、カナダの夏はカラッとしていて湿気がなく、とても過ごしやすいです。
日本では味わうことがない絶景や壮大な大自然にきっと感動することでしょう。
治安が良い
カナダは治安が良いのが魅力的です。英語圏の中では、カナダは治安が良い国として知られています。
しかし、異国の地で生活するので、何かと不安があるものですよね。もし犯罪に巻き込まれたら大変です。
そのため、女性の場合は派手な服装をしたり、高価な装飾品を身につけたりするのは控えましょう。また、自分の身を守る上で「防犯グッズ」を用意することをおすすめします。防犯グッズは、百貨店や100円均一ショップなどで手軽に購入することができます。
カナダは治安が良いとして人気な国ではあります。しかし、このように入念な準備を行っておくことを忘れないようにしましょう。
カナダ留学のデメリット
次にカナダ留学のデメリットについて解説していきます。以下でお伝えするのは、多くの人が考える一般的なデメリットです。
しかし、私の個人的な意見としては、考え方によってはデメリットをメリットに転換できる思考をもつことができるようになります。
このことを理解した上で、以下の留学に対するデメリットを確認してみてください。
冬の気温が寒い
カナダ留学のデメリットの一つ目に「寒さ」があります。カナダの冬の気温は、日本とは比べ物にならないほど極寒です。私が住んでいた都市は冬になると、マイナス50度を超える極寒な都市でした。
これは一般的にはデメリットと考える人が多いです。しかし私の場合は、この極寒をメリットと捉えました。その理由は、寒い都市であればあるほど、日本からの留学生が少ないことがわかったからです。
私が留学したカナダのレジャイナでは、私の学年に日本人は一人もいませんでした。そのため、常に英語でコミュニケーションをすることを求められ、その結果、英語の上達する機会がありました。
つまり、冬の寒さを見方につけることができれば、デメリットがメリットに変わることが理解できるのではないでしょう。
娯楽スポットが少ない
カナダは日本と違って娯楽スポット(施設)が少ないです。バンクーバーやトロントなどの大都市に行けば、ダウンタウンやチャイナタウンなどのショッピングエリアは栄えています。
しかし、田舎に留学をすると遊べるような娯楽施設は非常に少ないです。私が4年間住んでいたレジャイナという田舎の都市では、以下のような遊ぶ方法しかありませんでした。
- 映画館に行く
- ビリヤードをする
- ダウンタウンへ買い物に行く
- 仲間と食事に出掛ける
そのため、田舎に留学したら「遊び」に期待してはいけません。私の場合、田舎に留学しましたが、遊びといえば「映画館」「バー」「ビリヤード」「ショッピング」「友人の家でホームパーティー」などでした。
当時、私が住んでいたカナダのレジャイナには「カラオケ」はありませんでした。
また、都会に留学をしても東京や大阪などのように夜中まで空いているお店はありませんし、カラオケも多くありません。そのため、遊べる場所は日本ほど多くないので、期待しない方が良いです。
ただ、娯楽施設が少ないということは、その分、英語の学習に集中することができるため、本気で留学して英語を上達させるには非常に良いでしょう。
なぜなら、否が応でも英語を上達させなければいけないという強制力が働くからです。
特に短期留学の場合、留学期間が長期留学の人と比べると時間が限られています。
時間は誰にでも平等に与えられた貴重な財産です。そのため、短期留学者はその限られた時間の中で、集中して自分の英語力を磨くことはもちろん、留学経験を通して次の進路のステップアップに繋げる必要があります。
このことから、短期留学をする場合は娯楽施設の少ない環境に身を置き、自分の英語力を集中的にアップするのに適した場所と言えるでしょう。
ホストファミリーがカナダ人とは限らない
一般的に、カナダに留学する人は、「ホームステイ先=カナダ人の家庭」と思っている人が多いです。結論から言えば、ホームステイ先がカナダ人の家庭とは限りません。そのため、過剰な期待を持つことは控えた方が良いです。
このことをデメリットと思うかどうかは、あなたの解釈次第です。「ホストファミリーがカナダ人じゃなければ絶対にイヤ」と思うのであればデメリットになります。「特に気にならない」と思えばデメリットにはならないでしょう。
事実、私の友人がカナダに留学をしたときのホームステイ先はフィリピン人の家庭でした。フィリピン人が移民をして、部屋の一つをホームステイとして貸し出していたのです。
要は、彼らも日々の生活を支えるためのビジネスの手段として、部屋を貸していました。そのため、彼らが話す英語はフィリピン訛りの英語であるため、カナダ人が話す英語とは違います。
それでも、私の友人は「フィリピン人の家庭で過ごせたことは良い思い出となっている」と言っていました。
このことは、留学する本人の考え方によってデメリットと思うこともできるし、そうでもないと感じるでしょう。一般的に「カナダにホームステイをしたらカナダ人の家庭が良い」と考える人が多いため、そうとは限らないことを理解しておきましょう。
フィジーに比べてカナダは費用が高い
以下は「カナダ」「フィジー」「フィリピン」の期間別にわけた費用の表です。こちらの費用は「授業料」「滞在費用」「海外保険やビザなど生活に必要な費用」をまとめた概算の金額です。
留学期間/国 | カナダ | フィジー | フィリピン |
3ヶ月 | 60〜90万円 | 40〜60万円 | 60〜90万円 |
6ヶ月 | 110〜200万円 | 70〜100万円 | 120〜200万円 |
12ヶ月 | 210〜300万円 | 120〜240万円 | 210〜300万円 |
上記の表を比較すると、「フィジー」が一番費用を安く抑えることができます。6ヶ月以上滞在する場合、カナダと比べても、フィリピンの費用面はそこまで大きく変わりません。
この点を事前に理解しておくと、格安と思われているフィリピンもカナダと比べて費用的にはそこまで大きく変わらないことがわかるでしょう。そのため、フィジーと比べるとカナダの留学費用は割高です。
留学して感じる孤独感と向き合う
留学をすると孤独感を感じることがあります。日本では当たり前のようにいた家族や仲間たちも、留学をすれば離れ離れになります。そのため、一人で時間を過ごすことが多くなるため、孤独感を感じやすいのです。
私も実際に孤独感を感じたことがあります。そのときは、家族との写真を見返してモチベーションアップにつなげていました。
留学して孤独感を感じることは仕方のないことです。それも成長する上で必要なエネルギーと考えると良いです。不安や寂しさを小脇に抱えながらも、一歩一歩、成長していけば良いのです。
孤独感を味わうことが、自立する意味や自発的に行動することの大切さを教えてくれる機会になります。
カナダ留学を終えて感じたこと
これまで私自身の経験を織り交ぜて、カナダ留学のメリットとデメリットについて解説してきました。以下では、カナダ留学を終えて感じることについても触れておきます。カナダ留学を検討している方の参考になれば幸いです。
日本に帰国して感じる逆の意味でのカルチャーショック
私が4年間の長期留学を経験した後に一番苦しかったことは、実は日本に帰国してからです。
その理由は、日本人の多くは神経質な人が多いということを感じたからです。海外に住んでいる人の多くは、「おおらかで」「小さいことに気にしない」人が多いです。
多くの人が陽気で明るく、他人の目を気にすることなく堂々と生きている人が本当に多いです。
ところが日本人の多くは、「細かいことに対して気にする人が多い」ように感じました。また、自分の意見を言うと、「生意気だ」と勘違いされることがありました。
海外では、自己表現(自分の意思を他人に伝えること)は当たり前のようにあります。その代表例がディスカッションやグループワークなどで自分の考えを他人に伝える場面があることです。
私がカナダから日本に帰国してから住み始めて感じたことは、「日本人に合わせなければいけないことが多すぎる」「先輩と後輩の年齢による差別」などの文化がまだ根付いていることを感じました。
また、周囲の目や意見を気にする人が多く、自分の考えを言わない人を多く見てきました。さらに人間関係の圧迫感を感じることがよくありました。正直、「面倒くさいな」と思うことが多かったです。
一方、カナダでは開放的で誰の目を気にすることなく、自由に生きれる感覚を感じました。
カナダでは、多くの人が思ったことを口に出します。しかも、表情が豊かです。また、知らない人にも気さくに話しかける文化があります。
私の経験上、海外の人は気さくで親しみをもって周りの人と関わることが多いように感じます。もちろん、日本にも良いところはあります。
そのため、両方の良いところを吸収し、自分なりの人生観や哲学などを身につけることが、あなた自身の人生をより豊かにするのではないでしょうか。
留学を通して得られることは英語力だけでなく、さまざまなバックグラウンドを持つ他国の学生と英語を通して相手の価値観や考えなどを学び、お互いに教養を深め合うことができることでしょう。
まとめ
大切なのは、どこに住んでいようと、なるべくその土地の良い面に目を向けてポジティブに楽しく生きたほうが留学生活は充実します。
もちろん、留学を通して得られるものがあり、失うものもあります。例えば、英語を話す代わりに日本語を話す機会が減ります。しかし、英語を通して世界各国に友人が増えたり海外でビジネスチャンスを得たりするかもしれません。
あなたが留学をするときは、留学で感じるデメリットをメリットとして捉え、留学生活そのものを楽しむくらいの気持ちで日々を送るようにしてください。
その結果が、あなたの人生をより豊かにしてくれることでしょう。