留学ノウハウに頼りすぎると失敗する2つの理由

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「留学先でどうやったらうまく過ごせるのか?」「海外留学を成功させる秘訣はあるのか?」など、疑問に思う人は多いです。失敗を避けるために、留学した人からの意見を聞きたいという気持ちもあるでしょう。

結論からお伝えすると、「こうやったら留学は成功する!」などのノウハウはありません。むしろ、留学生活を充実したものにしたければ、ノウハウには頼り過ぎない方が良いです。

目次|このページでわかること

留学ノウハウが必ずあなたに当てはまるとは限らない

留学ノウハウに頼りすぎない方が良い最初の理由として、必ずしもその方法があなたに最良な結果をもたらすとは限らないからです。

留学先は英語圏だけでもたくさんあります。アメリカ、カナダ、オーストラリアなど、国によって考え方、生活習慣、文化は違います。また、本人の「留学期間」によっても必要なものは変わってきます。

そのため、世間に出回っている「◯◯をしたら留学がうまくいった!」などの留学ノウハウを真似たところで、あなたに合う保障はどこにもありません。

例えば、留学ノウハウとしては「初めて留学する人であれば、日本人スタッフが在籍している語学学校を選ぶのが良い」などの言葉を目にします。ただ、これは避けたほうが良いです。

日本人スタッフが在籍している学校に通うと、何か困ったことがあればいつでも「日本語」で質問することが可能ですので確かに便利です。しかし、これでは「本当の英語力」は身につかず、逆に日本語を使えることに甘えてしまう危険性があります。

人間は「弱い生き物」ですから、すぐに安心感を求めます。特に、異国で過ごすため緊張感が常にあります。日本人スタッフが在籍した学校の方が安心感を得やすいのは事実でしょう。

しかし、何か困ったことが起こると、「そうだ! 日本人スタッフに聞こう」と発想し、逆に自分で考えることをやめてしまう危険性もあります。この姿勢では、「海外で活躍するための英語力」が身につかない恐れがあり、留学した意味がありません。

「留学したのに何も身につかなかった」と後悔して帰国する人の典型的な事例の一つが日本人スタッフのいる学校へ留学することなのです。ノウハウはあくまでも参考程度で十分です。

頼る人がいなくても何とかなる

例えば私の場合、15歳のときに初めて、ホームステイを使って一ヶ月間だけカナダの語学学校に通いました。

その語学学校には、日本人の生徒やスタッフは一人も在籍していませんでしたが、英語で質問することに大きな不便を感じることはありませんでした。

「中学校時代に英語の成績が良かったのでは?」と思われる方もいると思いますが、決してそんなことはありません。私の英語成績は「2(5段階評価中)」だったため、優秀な生徒ではありませんでした。

しかし、一ヶ月間の語学留学は無事に成し遂げることができました。そのため、あなたも大丈夫です。

大切なのは、「自分は今どう思っているのか?」「自分はどうしたいのか?」「何をどうしたら自分は成長できるか?」とあなた自身で考え出し、自らの直感に従った選択をすることです。

私の場合、留学先に「留学の手引書」みたいなガイドブックは持って行きませんでした。その方が「冒険的な感覚」を感じられ、留学を楽しむことができます。

新しい発見による「ワクワク感」がなくなる

留学ノウハウに頼りすぎてはいけないもう一つの理由は、「ワクワク感」を無くしてしまうことにあります。

留学して一番おもしろいのは、「出逢い」「驚き」です。出逢いとは何かというと、「新しい言葉(単語)との出逢い」「新しい場所(景色)との出逢い」「新しい人との出逢い」などです。留学は多くの出逢いにあふれています。

驚きとは、ある意味のカルチャーショックです。「え〜!? 日本ではこんなことありえないのに!」と思う出来事を、留学先ではたくさん直面します。

例えば、私がカナダに留学して一番驚いたことは、バス運転手が仕事中にコンビニに立ち寄っていたことです。いきなりバスが急停車し運転手はコンビニに向かったのです。

「急にどうしたのだろう? トイレかな?」と考えていると、運転手はコンビニ店員と笑顔で会話をしていたのです。そのままお店を出ると、彼の両手にはドーナッツとコーヒーがあり、バスに戻ってドーナッツを食べながら運転を再開しました。

これに私は非常にビックリしました。「なんて自由な国なんだ! 日本ではありえない」と思ったものです。

しかも、車内にいる乗客はまったく気にしないのです。本を読んでいる人、会話を楽しんでいる人、寝ている人、音楽を聴いている人など、運転手が戻ってきても誰一人として文句を言わないのです。

日本では決して味わえない、留学したからこそ出会える出来事だと思いました。また、カナダ人の器の大きさに感動したのと同時に、「日本で同じ行為をしたら、即クビだろうな」とも思いました。

言葉の違いの他に、文化、生活習慣、考え方など、ありとあらゆる全てが初めてのことばかりです。これが留学をする一番の醍醐味といってもいいでしょう。

答えが最初からわからないからこそ、留学は楽しいのです。悩み、葛藤し、驚きと発見の連続が留学です。

そして、自分の頭で考え、導き出したその答えを頼りに実践し、自分自身をレベルアップさせることの方が大事になります。

ノウハウに頼る2つのメリット

もちろん、留学時にノウハウを頼るメリットもいくつかあります。ここでは2つ紹介します。

一つ目は、失敗をあらかじめ防ぐことができる点です。事前に多少なりとも知識があれば防げることもあるからです。

例えば、「留学先に持っていくと良い物」をあらかじめ把握しておけば、いざ留学すると決まったときに、慌てずに準備することができるでしょう。

私の場合、初めて一ヶ月の短期留学をおこなった際は、荷物を極力少なめにしました。「スーツケース1つ」「リュックサック1つ」そして「貴重品を入れるポーチ1つ」の3つで留学しました。一ヶ月の短期留学であれば、基本的な留学で必要とする荷物だけで十分です。

他には、「ホームステイ先へのお土産」を用意しました。私がホームステイをしたファミリーには、小さな子供が2人いました。そのため、日本から「子供用のおもちゃ」と「お菓子の詰め合わせでチョコレート」を持参しました。

このように事前に多少なりとも知識があれば、安心して留学準備ができるでしょう。

ノウハウを頼る二つ目は、時間を短縮できる点です。過去に留学した人たちの学びを理解しておくことで、同じ失敗をしなくて済みます。先人の教えを理解しておくことで手間と労力を避けることができ、時間を短縮することができるでしょう。

ただ、すべてのノウハウを鵜呑みにしてしまうと、判断基準が鈍ってしまう可能性があります。そこで、「ノウハウに頼る部分」と「頼らない部分」をうまく使い分けると良いでしょう。

例えば、私が当時15歳(2000年)で初めて短期留学した際、携帯電話を持っていませんでした。当時はスマートフォンなどがありませんので、日本にいる両親との連絡手段は「国際テレフォンカード=コーリングカード」のみでした。

いま思うと、携帯電話を持っていなくて本当に良かったと感じています。時差の関係で日本に連絡できる時間帯も決まっていました。そのため、より現地の生活に溶け込むことができ、英語の勉強に集中することができました。

携帯電話がなくてもそこまで不便を感じることがなかったですし、携帯電話がないことでより自由に、留学生活を楽しむことができました。

無駄な通信費は掛かりませんし、意識が散乱することがありませんので集中した環境を手に入れることができます。

私の個人的な意見の一つとして参考にしていただきたいのですが、あなたが短期留学(1週間〜2ヶ月以内)をするのであれば、思い切って携帯電話を持っていかない選択を取るのも一つです。

いまではメールやSNSを含めて「ノートパソコン1台(または携帯電話)」さえあれば、世界中の仲間と繋がることができます。また、日本へいつでも連絡することが可能な時代です。

短期留学であれば、携帯電話をあえて持たないことで、集中して留学生活を充実させることはできるでしょう。

大切なのは自分の選択に自信を持つことです。他人からの答えを鵜呑みにするのではなく、自分で決めて動くことが大切です。

また、他人からの答えを待つのではなく、「何でもやってみる精神」で、自分から掴みにいく姿勢を忘れずに勇気を出して進んでください。

積極性を持ってチャンレジしていけば、必ず充実した留学生活が送れるでしょう。