初めて一人で異国に住み、血の繋がった家族と離れ離れになって生活をするといろいろなことを感じます。例えば、その一つにホームシックがあるでしょう。
私は留学をして2年目(当時17歳)のとき、祖父が亡くなったことを母親からの国際電話を通じて知りました。その知らせを聞いたとき、とてもショックでした。
家族はみんな日本に居り、私だけカナダに居ました。離れた場所で祖父の知らせを聞かされ、何もすることができない自分が悔しくなったことを今でも覚えています。
ただ、私はその出来事をきっかけに、改めて「何で私は留学をしたのか?」「留学を通してどうなりたいのか?」と自問自答しました。
そして、「時間とお金と体力を使って留学に来ているのだから、絶対に負けない。何が何でもやってやる」と自分の中で答えを見出すことができ、気持ちを入れ替えることができました。
目次|このページでわかること
落ち込んだときの乗り越え方
落ち込んだときの乗り越え方として、自分なりの乗り越え方をもっておくとよいです。例えば私の場合、「ケツメイシ」の音楽を落ち込んだときの対処法として聴いていた時期がありました。特に、「涙」「ファミリア」「朝日」「手紙〜未来」などは頻繁に聴いていました。
私の場合はケツメイシの音楽を聴いてやる気を出し、留学生活で辛いことや苦しいことがあっても乗り越えることができました。
留学をすればときに孤独感を感じることがあるでしょう。周囲の言っていることが理解できず、不安な気持ちになり自分のやる気が下がるときがあるでしょう。それでも自分が選んだ道ですから、遅かれ早かれ自分で乗り越えなければいけないのです。
そのため、落ち込んだときの対処法として自分のエネルギーが出る音楽を聴いたり映画を観たりすると気持ちが楽になるでしょう。本や写真も良いです。このように、自分の気持ちを高ぶらせてくれるものをいくつか持っておくことをおすすめします。
あなたは恵まれている
大前提として、留学は誰でもできるものではありません。その当たり前ではない貴重な機会をいただいたことに感謝し、必死で努力をしてください。
「日本に帰りたい」とホームシックになり気持ちが下がったときは、ご両親と連絡しても構いません。
ただ、そのときは時間を決めて話してください。また、「親の声を聞いて泣いてしまう」という方がいますが、電話口では絶対に泣かないでください。他人に心配をかけてしまうからです。
そもそも「留学する!」と決めたのは誰ですか? ご両親から提案があったのでしょうか? どのような理由であれ、最終的にはあなたが自分で「行く」と決断したのです。だったら、メソメソしないで胸を張ってください。
あなたがホームシックになってメソメソしていたら、ご両親は留学先で「ちゃんと生活できているのか?」と不安になるでしょう。ご両親はあなたの成功・成長を願って留学をさせてくれたことを忘れてはいけません。
私が当時16歳(2001年)で長期留学した際、携帯電話は持っていませんでした。当時はスマートフォンなどがありませんので、日本にいる両親との連絡手段は「国際テレフォンカード=コーリングカード」のみでした。
しかし今では、メールやSNSを含めて「ノートパソコン1台(または携帯電話)」さえあれば、いつでも連絡を取ることができます。そのため、とても恵まれた環境の中で留学することができます。
考え方として、日本へは早々に帰ることはできません。そのため、置かれている状況を受け入れるしかないのです。郷に入ったら郷に従えです。
何もかも初めての体験をするわけですから、辛いことが起きることはあるでしょう。ただ、その辛い経験から逃げていては成長はありません。辛い経験を乗り越えれば乗り越えた分だけ、人は強くなります。
留学は一生に1回か2回、多くても3回ほど経験するのが限度でしょう。その限られた時間の中であなたができることは、留学という手段を通じて、あなた自身を一回りも二回りも大きく成長させることではないでしょうか。
日本が恋しくなったら
日本が恋しくなったとき、「日本人と交流したい」と思うでしょう。そこで、私がオススメする留学先での日本人との交流は、学校のクラスメイトではなく、現地に住んでいる日本人と交流することです。そして、そこからご縁を育むのです。
ダウンタウン周辺には必ず「日本食レストラン」があり、日本人が何人か働いています。私が住んでいたマイナス50度の極寒都市でも日本人オーナーが経営する日本食レストランがあります。そして現地に住んでいる日本人の方もいます。
そのため、私は日本食レストランで日本語を話す機会を作ることができました。普段の学校生活は英語のみで、日本食や日本語に触れたくなればレストランに足を運ぶなどをして環境をうまく切り離すことができるのです。
私がカナダで4年間長期留学ができたのも、当時の日本食レストランで出逢った方々のお陰だと深く感謝していますし、そのご縁は今でも続いています。
現地に住んでいる日本人の方々は本当に優しい人たちばかりです。私が出会った日本人女性の旦那さんはカナダ人ということもあり、カナダの文化や考え方を学ぶこともできました。
あなたが現地に住んでいる日本人の方とお会いする機会があれば、そのご縁は大切にしてください。あなたの留学が成功するように応援してくれる方々になるからです。
「何か困ったことがあれば遠慮なくおいでね」と声をかけてくれます。このような言葉をいただくと感謝の気持ちが込み上がり、「よし、がんばろう!」と更に気持ちが高まります。
さいごに
忘れていただきたくないのは、あなたの留学が成功するように応援している方々はあなたのご両親はもちろん、現地で一緒に時間を共有してくださるすべての人だということです。そのため、ホームシックになっている場合ではないのです。
何より、あなたが留学を通して成長した姿を日本で待っているご両親に見せることが、あなたが留学先でできる一番の親孝行になります。