田舎に留学した方が英語力が伸びる理由

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留学で悩むことの一つとして、「留学先選び」が挙げられます。せっかく高額の投資をして現地で英語を勉強するわけですから、場所選びに慎重になるのは当然でしょう。

私も留学するときは「環境面をどうするか?」と考えたものです。具体的には都会に留学するか、または田舎に留学するかと悩むのではないでしょうか?

私の場合は、カナダのサスカチュワン州にある首都、「レジャイナ」に留学しました。そして私は、4年間その街で生活しました。親の都合で4年間住んだわけではなく、自分の意思で行った完全な長期留学でした。

私の留学経験と私の周りの留学経験者の声を聞いて思うことは、本気で留学をするなら「田舎に留学する方がオススメ」ということです。

そこで今回は、「田舎に留学した方が英語力が伸びる理由」についてご紹介します。

目次|このページでわかること

田舎に留学をすると「強制力」が働く

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田舎に留学をすると都会と比べて、住んでいる人たちの人口が必然的に少なくなります。そのため、日本人と出会う確率も都会に留学した場合と比べて減ることになります。

このように、母国語(日本語)を話す頻度が減ると、強制的に英語を話さなければいけない状況に追い込まれます。なぜなら、自分の母国語を話す環境を自ら閉ざすことによって、逃げ道をふさいでしまうことになるからです。

言い換えれば、自分で英語を話さなければいけない環境を意図的に作り出すことができるのが田舎留学です。そして、強制的に自分を追い込むことができることが、田舎に留学した方が英語力が伸びる理由になります。

このように、田舎では自分で努力をして英語を勉強しなければ生活をしていくことができない状態になります。

そして、日本人と出会う確率が極端に減れば、必然的に英語を自分で話して行動に移していかなければ上達はしません。これが、私が田舎留学をオススメする理由になります。

大前提として理解していただきたいことが、「人間は弱い生き物」だということです。確かに日本人が留学先に多ければ安心感を得ることはできます。

しかし、それでは依存体質になる可能性が高いです。そして、依存をしてしまうと周囲の影響を受けやすくなります。別の言い方をすると、「周りに流されやすくなる」ということになります。

これではせっかく留学をしても周りの目を気にしてしまい、「みんなに合わせる」という意味のわからない行動を取りかねません。このような状態が続くと、留学をしても高い成果を上げることが難しくなってくるでしょう。

実際のところ、留学前に「都会に留学しても英語の勉強をしっかりする」と決めたにも関わらず、「留学してから英語の勉強があまりできなかった」と言って帰国する人もいるくらいです。

要は、「言うは易く行うは難し」です。やはり実行に移すには、それなりのエネルギーを必要とします。

しかし、強制的に英語を話さなければいけない状況に追い込まれると、人は成長することができます。それが田舎留学では可能なのです。

都会に留学をすることで本来の目的を見失うこともある

都会や娯楽の多い場所に留学をしてしまうと、本来の目的を見失いかねません。なぜなら「楽しい」からです。

ここでいう「楽しい」とは、「娯楽」に近い意味合いです。例えば、ショッピングモールや楽しい娯楽施設が都会の方には多くあります。週末には、学生同士のパーティーもたくさんあるでしょう。美味しいレストランも田舎と比べたら多いでしょう。

確かに都会に留学すれば、利便性が発達していますし、大きなショッピングモールやたくさんの日本食レストランなどの娯楽施設があります。

アクセスも良好なため、週末やまとまった休みがあるときは小旅行も可能です。それはそれで楽しいに決まっています。しかし、日本に帰国してからも遊ぶことはできることを忘れてはいけません。

このとき、行きたい高校や大学がどうしても都会側にある場合は仕方がないでしょう。行きたい学校があるということは、そこで学ぶ目的がはっきりしています。

そのような明確な理由があれば良いのですが、明確な目的がないまま「ただ何となく都会がいいかな」と考えていては留学の目的が弱すぎます。そのため、本来の目的とズレた行動になっていないか、確認する意識を持つようにしてください。

一方、田舎に留学をしたら上記のような娯楽施設はほとんどありません。週末に学生同士のパーティーはありますが、都会ほどではありません。田舎であれば行きたくなければ断ることができます。

しかし、都会に留学した場合だと「日本人コミュニティー」との接触も増えるため、誘いが断りづらくなるでしょう。言い換えれば人付き合いです。

このように、日本人コミュニティーと頻繁に付き合うようになると大変です。例えば、気の弱い人は飲みや旅行などの誘いに対して断ることができない可能性があります。これでは、「日本に居たときと変わらない」と自己嫌悪になる可能性もあります。

そのため、留学するときは「留学する上で一番優先すべきことは何か」を理解した上で、海外留学に挑むようにしてください。そして現地で生活してからは、「目標に一歩でも近づくために何ができるか?」と考えながら行動するようにしてください。

繰り返しますが、都会より田舎の方が英語学習において集中する環境が手に入りやすいのは事実です。なぜなら、私の友人が都会に留学をしたときに、「英語があまり伸びなかった」と言っていたからです。

このように都会に留学することで、本来の目的・目標を見失っては意味がありません。このような状況に陥らないように、くれぐれも気をつけて下さい。そのため、都会に留学する場合は、「あなたの意思の堅さ」が非常に重要になります。

せっかく留学をするのですから、都会に留学をして甘い言葉に誘われ、貴重な留学経験とその有限な時間を無駄にしてしまっては非常にもったいないです。

繰り返しますが、あらかじめ目的・目標があって都会に留学するのであれば問題はないでしょう。しかし、上記のような誘惑を断ち切ることも大切な心構えです。そのため、環境面から強制的に追い込み、英語力を伸ばす意識を持って取り組むようにしてください。

田舎に留学をしたら自分の頭を使う回数が増える

田舎に留学をしても、結局は「英語圏」です。現地で生活をしていくためには、必死になって英語の勉強をする必要があります。ただ、安心していただきたいのが、必死で勉強しなければいけない時期はいつまでも続かないということです。

その理由は、時間が経てば自分の英語力が上達していることを体感するようになるからです。そして、英語で理解ができるようになると留学生活が楽しいものとなります。このような状態になって初めて、「田舎に留学ができてよかった」と思うようになります。

ただ、慣れるまでは田舎生活は大変なことも多いのは事実です。例えば、田舎には都会と違って不便なことが多くあります。その代表例が、「交通手段」です。

私が住んでいた街には電車は通っていませんでした。バスは30分に1本、週末になれば1時間に1本という田舎町でした。そのため、移動をするときは非常に不便でした。

さらに、私が住んでいた街は冬になればマイナス50度を超える極寒地域です。ただ、このような不利な環境状況に追い込まれるからこそ、自分の頭で考える癖がつきます。

例えば私の場合、以下のような自問自答をすることがありました。

・「雪が多く降ってるな。この天候はしばらく続きそうだから、週末のことも考えて多めに買い出しをしておこう」

・「約束まであと2時間あるけど、雪が降っているとバスの運転スピードも遅くなるから1本早めのバスに乗っておこう」

上記の例は、日常生活の些細なことかもしれません。しかし、自分で先のことを考え、シミュレーションを行い考えなければいけない状況になります。

そのため、英語力だけでなく現地で生活していくために必要な「生活力」が、嫌でもつくようになります。これが「自分の頭で考える」ということのメリットです。もちろん時間が経てば、田舎暮らしにも慣れてきます。生活リズムも整ってくるようになるので安心してください。

あなたも必ず留学できる

誰でも初めは、未知の領域に自分の意思で挑むことに辛いと感じることがあります。ときには困難なこともあるでしょう。悔しい気持ちになることもあるでしょう。初めてのことであれば尚更です。

しかし安心してください。あなたは必ず留学を成功させることができます。なぜなら、私も初めから英語が流暢に話せたわけではないからです。

稀に、「15歳で留学したということは、昔から英語が得意だったのですね?」と聞かれることがあります。しかし、私はもともと英語がまったく得意ではありませんでした。むしろ苦手な方でした。なぜなら、私の中学校時代の英語成績は2(5段階評価)だったからです。

そんな私でも、無事に一人で田舎の高校に通い現地の高校を卒業することができました。私でも留学することができたので大丈夫です。あなたも必ずできます。

田舎に留学をすると交友関係は狭くなるが、関係性は深くなる

大きな都市に留学をすると交友関係が広がっていくのは事実です。なぜなら出会う人の数は、田舎と比べて都会の方が多いからです。そのため、大きな都市であればあるほど交友関係は広がっていくでしょう。しかし、都会の場合だと「広くて浅い人間関係」になることも事実です。

一方、田舎は違います。田舎に留学をすると人間関係は狭くなります。しかし、一人ひとりとの交友関係は深くなります。

そのため、都会と比べて交友関係は狭くなりますが、深い関係性を築くことができるようになるのが大きな違いになります。そして、一人ひとりとの交友関係が濃くなるということには、「現地の友達が作りやすくなる」という良い面があります。

事実、私が通っていた高校には、日本人は私も含めて2人しかいませんでした。しかし、一度も同じ授業を取ったことがありません。もちろん、学校内で日本語を話すことは皆無でした。

そのため、田舎に留学をすると日本語を話す頻度も必然的に減ることを身をもって体験することができました。また、私が通っていた高校には、現地に住んでいる仲が良い3人の友達がいました。

彼らと一緒の授業を取っていたこと、放課後も同じサッカー部に所属していたことなどの理由もあり、彼らと時間を過ごすことが多くありました。

unnamed-1※冬休みを利用して、カナダ人の友達とバンフでスキーをしたときの1枚。

週末を利用して、彼らの家に遊びに行って一緒にテレビゲームをしたり、彼らの家族と一緒に食事に出かけたりすることもありました。

夏休みを利用して一緒にキャンプに行ったり、冬になればスキーに行ったりすることもありました。そのため、遊びながらもしっかり英語の勉強をすることができたため、必然的に英語力が伸びていきました。このように、田舎に留学をすると仲の良い友達を作りやすくなります。

また私の場合、英語でわからないことがあればいつでも彼らに質問をしていました。質問の仕方は、「How do you say ◯◯ in English?」で伝えることができます。このようにして私は「できている人から教わる」ことも意識していました。

繰り返しお伝えしますが、都会と比べて田舎に留学すると交友関係は狭くなります。しかし、一人ひとりの関係性は深くなるため、信頼関係を築きやすくなるのが田舎留学の醍醐味の一つです。

英語学習では、質より量を意識する

スポーツでも勉強でも、物事を初めから行うときは「質より量」を意識する必要があります。上達の道は、圧倒的な量をこなし、それを質に転換していくことが重要です。また、英語は言葉ですからアウトプットが必要になります。

そのため、浅い交友関係よりも一人ひとりとの関係性が深ければ深いほど、英語でコミュニケーションを取る量が増えていくことになります。これが田舎で留学をすると、必然的に英語が上達するもう一つの理由になります。

都会であれば、場所によっては英語がなくても生きていくことも可能です。例えば、カリフォルニアやバンクーバー、シドニーなどがそうでしょう。

しかし、田舎ではそうはいきません。結果的に自分の頭で考え、狭い環境だからこそ英語が必然的に上達していくのです。そして、アウトプットする量が増えれば増えるほど、質に転換していくことを理解してください。

さらに、日本人と出会う頻度が少なければ少ないほど、英語を使わないと生きていけない環境を自分から作ることができます。そのため、必然的に英語力が伸びる理由がここにあります。

私が住んでいた街には娯楽が少なく、交通の便がとても不便でした。加えて冬はマイナス50度を超える地域でした。このような街に自ら留学しようと考える人は少なくなります。

一見すると、交通の便が悪く、冬は極寒だと「そんなところに留学したくない」とマイナスなイメージを持つ人がいます。しかし、それを逆手にとってポジティブな面を見るようにすると、いくらでもポジティブな点が出てくることが理解できるはずです。

辛い苦しい環境だからこそ、英語力は伸びていくようになります。楽をしようと考えればそのような選択を取ることはできますが、大きな成果を得ることは難しくなります。

そして、厳しい環境に追い込まれるからこそ得られる成果は大きくなることを理解してください。もちろん、田舎に留学をしたら厳しいことだけではありません。

上記でお伝えしたように、田舎に留学をすると田舎で得られる醍醐味やメリットは多々あります。

まとめ

今回お伝えした内容を理解した上で、あなたは都会と田舎のどちらに留学を希望されますか? もし、留学をして本気で英語力を上達させたい場合は、田舎に留学すると良いでしょう。

その理由は、私が経験したことも踏まえて都会に留学するよりも、落ち着いた田舎に留学した方が本気で英語の学習をする環境を手に入れることができるからです。