日本人は一般的に中学校から高校までの6年間、長い人は大学でも英語を学びます。大学まで入れると、合計10年間英語を勉強しています。ただ、英語を流暢に話す人は少ないです。なぜ、こうした事態が起こるかというと、それは言葉の本質を知らないからです。
実は、世界中の言葉は6つの要素で成り立っています。この本質を理解することで、英語に限らず他の言葉も話せるようになります。現に私は日本語と英語の他に、韓国語も多少ですが話すことができます。
なぜ韓国語も話せるようになったかと言うと、留学先の高校(カナダの高校)で韓国人と出逢い、彼らと交流を共にする間に自然と覚えてしまったのです。
そのため、韓国の友人と話すとき私は韓国語で話します。わからない単語が出た際は英語で話します。
なぜ、こんなことができるかというと、言語の本質を理解しているからです。
目次|このページでわかること
言葉は4つの要素だけではない
これまでの日本の英語教育では「話すこと=Speaking」「聴くこと=Listening」「読むこと=Reading」「書くこと=Writing」の4つが大切だと言われています。
しかし実をいうと、あと2つ必要な要素があります。それは何かというと「考えること=Thinking」と「感じること=Feeling」です。すべての言語がこの6つで成り立っています。
あなたが日本語で会話をするとき、上の4つだけを意識してコミュニケーションを取らないはずです。相手から言われた言葉に対して、同時に「考えたり」、相手の言葉を聴いて相手の気持ちを「感じたり」するはずです。
これはどの言語も同じです。日本語、英語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語など、ありとあらゆるすべての言語はこの6つの要素で成り立っています。
私の場合、この6つを意識して留学前に英語学習を行いました。また、カナダに留学した後で学んだ韓国語もこれらを意識して学習しました。
そのため、いくら上の4つを磨いたところであと2つが欠けていると、言葉の力はなかなか身につきません。
話すこと(Speaking)ができる人は、自然と聴くこと(Listening)ができます。また、書くこと(Writing)ができる人は、読むこと(Reading)もできます。
そして、話すこと(Speaking)ができる人は同時に感じること(Feeling)もしています。相手の話を聴くこと(Listening)ができる人は、同時に考えること(Thinking)もしているのです。このように言葉というのはすべて連動しています。
仮に、聴くこと(Listening)ができる人で話すこと(Speaking)ができない人は、単純に英語を瞬時に返す力が足りていません。「言いたいことがなかなかパッと出てこない」という人は、そもそもインプット量が足りていないのです。
逆にいえば、インプット量が十分であると英語で話しかけられたときに、すぐに相手に対して返答することができます。言い換えれば、インプット量が足りていなければすぐに返答することができません。瞬時に返答できる人とできない人の違いは、インプット量の違いにあります。
私の場合、留学前にどのようにしてインプット量を鍛えたかというと、洋楽と洋画を大量に観たり聴いたりしました。洋画では英単語や英文法が学べます。動画を観ながらリスニング力を磨くことも可能です。そして発音も吸収できます。
次に洋楽です。あなたの好きなアーティストの音楽は、勝手に口ずさんでしまうことがあるはずです。そしていつの間にか歌詞を覚えています。これと同様に、洋楽で聴いた音楽は必ず自分でも歌ってみてください。続けていくうちに自然と歌詞を覚えることができます。「何度も聞くこと」は英語を学ぶ上で必須です。
何度も繰り返し聴き、歌い続けることでインプットした内容を同時にアウトプットすることができます。ちなみに私は一つの曲を少なくとも100回は聴いて発音を練習しました。
洋画と洋楽で練習を続けると、感じる力(Feeling)と考える力(Thinking)を同時に磨くことができます。たとえば洋画であれば、繰り返し観ることが重要です。私の場合、集中すると一つの洋画を最低でも5回、多いときは10回は観ます。
正直、私がおこなっていた方法はとても地味です。繰り返し同じ洋画を観るため、人によっては飽きるかもしれません。ただ、1回では理解できなかった内容が、回数を重ねることで理解度が深まると楽しくて仕方がありませんでした。
私が一番最初に英語の勉強で使った洋画は、「オータムインニューヨーク」というリチャード・ギア氏とウィノナ・ライダー氏主演の恋愛映画でした。他に「ホームアローンシリーズ」も良い題材でした。私にとって洋画を選ぶ基準は「面白そう」「日常会話で使えそう」「続けて観られそう」などが決める要素でした。
少しマニアックな話ですが、私は映画を観ながら「俳優の表情」「声のトーン」「発音の強弱(口元を見て、舌の位置も確認すること)」「シーン背景」などから「この俳優さんはいま、こんなことを言っているかな?」と、当てていく(GUESSをする)ことを強く意識して観ていました。このようにGUESSをしながら洋画を見ることで、自然と英語を英語で考えられるようになります。
これらを繰り返すことでFeeling(感じる力)とThinking(考える力)が養われます。これが海外の人とコミュニケーションを取る上でとても役にたつのです。なぜなら、相手が何を伝えようとしているのか感じ取れるようになるからです。
SpeakingとWritingを重点的におこなう
私は「言葉は6つの要素で成り立っている」と伝えました。実は、この6つはさらに2つに凝縮させることができます。それはSpeakingとWritingです。
この2つさえ徹底的に練習すれば、あなたの英語力は格段に伸びるでしょう。話すこと(Speaking)ができる人は聴くこと(Listening)ができます。なぜなら相手の言っていることを理解しないと話すことができないからです。そしてSpeakingとListeningをしているとき、同時に感じること(Feeling)も無意識におこなっています。
例えば、書くこと(Writing)ができる人は、読むこと(Reading)もできています。なぜなら書く作業では、英単語や英文法が「既に頭の中にある状態」でいる必要があるからです。そして同時に考えること(Thinking)もおこなっています。
例えば、あなたが日本語で文章を作るときに頭の中で文章を組み立てないでしょうか? これと同様で書くという作業ができる=単語のスペルが分かっている状態であり、読めている状態にあるのです。
そのため、SpeakingとWritingに集約することができます。この2つを重点的におこなうと、結果的に6つの要素すべてを満たすことができていることになるのです。
理解していただきたいのは、言葉はすべて連動しているということです。そして世界中の言葉は6つの要素で成り立っていることを理解し、留学前にできる学習法は何があるかを考え、それらを実行してください。