語学留学を考えるとき、「何を基準に語学学校を決めたら良いのか」と悩む人は驚くほど多いです。実は、自分に合う語学学校を選ぶには、いくつかの要素から決める必要があります。ただ、初めて語学留学をする人は基本の考え方が身についていません。
これは仕方がないことです。なぜなら、はじめて留学するわけなので、何を基準に選んだら良いのかがわからないのは当然のことです。そのため、「留学先が決まらないけど、どうしよう」と心配になる必要はありません。
私は、1ヶ月の短期語学留学と4年間の長期留学を経験しています。私の経験も踏まえ、はじめて語学留学をする人が何を基準に語学学校を選んだら良いのかを以下で詳しくお伝えします。
留学前に考えるべきことから留学先を選ぶ上でおさえておきたい7つのポイントまで、詳しく解説していきますので、はじめて語学留学するときの参考にしてください。
目次|このページでわかること
留学する前に考えるべきこと
まず、留学する前に考えておくべきことがあります。それは戦略です。
例えばスポーツやビジネスでは、戦略を決めておくことが大切です。戦略とは一言で、戦うための計画です。留学も同じです。留学する前に計画を立てておくことで、有意義な留学生活を送ることができます。順を追って説明します。
留学する目的を考える
あなたが留学する目的は何でしょうか。例えば英語が話せるようになって、将来は海外で活躍する人材になりたいから留学するのでしょうか。または、英語を使った仕事にたずさわるために留学するのでしょうか。このように、人それぞれ留学する目的が違います。
目的と目標を決めることはとても大切です。例えば、「世界平和の貢献をする」というのが目的だった場合、「留学をしてビジネス英語を磨き、5年後に独立して事業を通して社会貢献をする」が目標になります。
このように、あなた自身が「なぜ留学するのか」目的と目標を定めておくことで、いざ留学してからも精神的にブレずに留学生活を送ることができます。そのため、留学前にある程度の留学する目的を決めておくことは大切です。
留学する時期を考える
次に留学する時期を考える必要があります。あなたが留学する時期はいつでしょうか。夏の時期でしょうか。それとも冬の時期でしょうか。
例えば、カナダの場合は冬になるとマイナス30度以上になるため極寒です。留学する時期によっても持ち物は変わってきます。そのため、短期の語学留学であれば、自分の留学時期の気候を確認しておくことが大切です。
私が初めて短期の語学留学をしたときは夏の時期でした。そのため、スーツケース1個で必要な荷物が収まりました。夏の時期は軽装備で留学することができますが、冬の時期はある程度、洋服を重ね着する必要があるため多くなるでしょう。
このように留学する時期によっても気候と持ち物が変わるため、事前に確認することが大切です。
留学期間を考える
次に留学する期間を考える必要があります。短期留学であれば1週間から6ヶ月、長くて1年間の留学もあります。あなたは、どのくらい留学をするのでしょうか?
時間は有限ですから、戦略的に効率よく留学生活を送り、自分の英語力を伸ばすことが大切です。また、仕事は休職するのか退職するのかによっても、留学できる期間が変わってきます。
留学期間によって、現地で勉強できる時間も変わるため、無駄な時間を過ごさないことが大切です。
留学予算を考える
留学することが決まっても、予算配分を考えることが重要です。具体的な留学予算はいくらでしょうか。例えば80万円の人もいれば200万円の人もいるでしょう。もちろん、お金が十分にあればより長く現地に滞在できるため、より充実した留学生活を送ることができます。
留学先とする国によっても留学費用は異なるため、調べておくことが大切です。一般的な留学費用についても後ほど解説していきます。
これらのことを考えた上で、留学する国を決めていきます。ただ、実は留学する国を選ぶ前に調べておくべきポイントがいくつかあります。以下で詳しく解説していきます。
留学先を選ぶ上でおさえておくべき7つの基準
留学する国を選ぶ前に、調べておかなければいけないことがいくつかあります。例えば、サッカーの試合で相手に勝つには相手の特徴を知る必要があります。誰がキーマンなのか、試合の運び方や相手の弱点などを事前にリサーチしておくことが重要です。
これは語学留学でもまったく同じです。留学する国を選ぶ基準を定めておくことで、無駄なく効率的に留学準備を進めることができます。基本的に抑えておくべきポイントは以下の7つです。
治安について
あなたが留学する国(都市)の治安はどうでしょうか。留学をするとき、一番大事なことは「身の安全」を確保することです。例えばアメリカであれば、大都市であるほど犯罪やスリ、強盗や銃の乱射事件などのニュースを耳にすることがあります。
カナダも緑豊かな自然な街ですが、大麻(マリファナ)が合法的にお店で売られています。
はっきり言って、日本ほど治安がよく安全な国はありません。例えば、東京の渋谷などに行けば、平気で夜中まで若者が遊んでいる光景を目にします。しかし、留学をしたら絶対に夜中の夜道を一人で歩いてはいけません。
私自身、夜中に出歩くことは4年間の留学経験で一度もありませんでした。このように留学をしたら、自分の身は自分で守ることが大切です。
留学する国によって、治安の良し悪しは違います。その中でも特に治安の良さに定評なのは、「カナダ」「オーストラリア」「ニュージーランド」でしょう。格安留学であれば「フィリピン」「フィジー」などがおすすめです。
あなたが留学しようと考えている国(都市)の治安を事前に調べることはとても大切なことです。自分でわからないことは、留学エージェントに相談して、留学する都市の治安を確認しましょう。
治安についてより詳しく知りたい場合、以下のコンテンツも合わせて読んでおきましょう。
留学費用について
あなたが留学する国(都市)の物価はいくらくらいでしょうか? 一般的に物価が高いと言われているのは「アメリカ」「イギリス」の2ヵ国が代表的です。代表的な英語圏の留学費用の目安は次のとおりです。
留学期間/国 | アメリカ | オーストラリア | カナダ | ニュージーランド | イギリス | フィジー | フィリピン |
3ヶ月 | 60〜100万円 | 60〜90万円 | 60〜80万円 | 60〜80万円 | 70〜130万円 | 40〜60万円 | 70〜90万円 |
6ヶ月 | 120〜220万円 | 120〜200万円 | 110〜200万円 | 120〜180万円 | 120〜220万円 | 70〜100万円 | 120〜200万円 |
12ヶ月 | 240〜430万円 | 240〜320万円 | 210〜300万円 | 230〜300万円 | 220〜420万円 | 120〜240万円 | 210〜300万円 |
このように留学期間と滞在する国によって、留学にかかる費用は大きく異なります。また、学校や取得するコース内容などによっても金額が変わります。渡航先の物価事情はもちろん、滞在方法(ホームステイ・寮)によっても金額が変わってきます。
そのため、語学留学であれば、国によっても授業料が異なります。
この表を見てもわかるように、留学費用を抑えつつ、英語圏でしっかりと英語学習をしながら留学生活を送るのであれば「カナダ」「オーストラリア」「ニュージーランド」の3ヵ国です。お金に余裕がある場合は、「アメリカ」「イギリス」も選択肢の中にいれても良いでしょう。
一方、格安留学で良いという場合は、「フィジー」「フィリピン」などがオススメです。ただ、6ヶ月以上滞在する場合、アメリカやカナダと比べても、フィリピンの費用面はそこまで大きく変わりません。
この点を事前に理解しておくと、格安と思われているフィリピンも費用的には他の英語圏と比べて変わらないことがわかるでしょう。
語学学校の規模
語学学校の規模は本当にさまざまあります。田舎などに留学すると100人未満の語学学校があります。一方、都会に留学すれば1000人以上の大規模な語学学校があります。多いところでは2000〜3000人が在校している学校もあります。
個人的な意見としては、小規模な語学学校がおすすめです。その理由は、大きくわけて2つあります。
一つ目に、小規模な学校であれば、学校が小さい分アットホームな雰囲気があります。生徒数が少ないということは、すぐに生徒の顔を覚えることができ、友達が作りやすいメリットがあります。また、小規模な学校であれば先生や他のスタッフとも親しく話せる環境が作りやすいです。
二つ目に、小規模な語学学校であれば日本からの留学生は少ないです。留学してからも日本人と付き合う時間が多いと、自分の英語を上達させることは難しいです。なぜなら、結局、英語はコミュニケーションだからです。
どれだけ英語漬けの日々を送るかで上達度が変わります。小規模な学校の方が学校内の環境にもすぐに慣れるため、積極的に活動をすることができます。ただ、小規模な語学学校のデメリットは人数が少ないため、授業のレベル分けが大規模と比べて細分化されていません。
一方、大都会の語学学校に通うメリットはそのレベル分けが細かく分かれていることにあります。ただ、大規模な語学学校の場合、受け入れている留学生の数が多いため、日本からの留学生も多いでしょう。
そのため、大規模な語学学校に留学した方が良いタイプは、はじめての留学で右も左もわからず、英語に自信がない人です。はじめての留学をするとき、多少の日本人留学生がいることで精神的にも安心でしょう。
さらに、都会は環境が整備されて便利なため、はじめての人も安心して留学生活を送ることができます。
一方、小規模な語学学校に通うと良いタイプは、チャレンジ精神が旺盛で行動力がある人が通うと良いです。田舎は不便なことの方が多いです。例えば、バスが時間通りにこなかったりお店が早く閉まったりするところもあります。
都会より田舎の方が不便ですから、物事を前向きに捉えられる思考を持っていると、田舎での留学生活を楽しむことができるでしょう。また、田舎ではゆったりのんびりと過ごせるため、落ちついた環境の中で留学生活を送りたいという人にもオススメです。
上記の内容を参考にしつつ、あなたが「留学してから送りたい留学生活は何なのか?」を明確にして学校を選ぶようにしましょう。
日本人在籍率が多いのか・少ないのか
語学学校に日本人在籍率が多いか少ないかを判断するとき、学校側が提示する「日本人在籍比率」を参考にしたり留学エージェントに相談したりすると良いです。
日本人在籍率とは、語学学校にどれだけの日本人が通っているかをパーセンテージ(%)で表記していることをいいます。
しかし、日本人在籍比率を確認するときは注意して見ることが大切です。なぜなら実際の日本人在籍率と留学に関する情報誌やパンフレットなどに記載されている数字が違うことの方が多いからです。
なぜ現実の数字と情報誌に記載されている数字が違うのでしょうか? それは大きく分けて以下の2点にあります。
- 過去の日本人留学生の実績データの平均値を表記しているため
- 日本人在籍率は、クラス単位ではなく、学校全体の在籍率から算出しているため
このように「過去の年間の平均値」と「学校全体の在籍率」から算出しているため、数字は非常にあいまいです。特に夏休みや冬休みなどの長期休暇中に留学した場合、例年の平均値より日本からの留学生が多くなる傾向にあります。
また、比較的日本からの留学生が在籍するのは、英語クラスの初級コースに多いです。せっかく日本人が少ない学校を見つけたにも関わらず、実際に現地に行ったら「日本人が多かった」と言う話が出るのはこれが理由です。
あなたが語学留学をして日本人が多いクラスに入るのが嫌だと感じる場合、ある一つのことをきちんとおこなう必要があります。
それは、「留学する前から日本にいるときにしっかり英語の勉強をすること」です。留学する前から英語の勉強をしっかりおこなっていれば、いざ語学留学をしてクラス分けテストをするときに、中級以上のクラスに入る確率が高くなります。
また、万が一中級コースに合格しなくても、日本にいるときに基礎を固めているため、留学してからも英語を上達させることができるでしょう。基礎を固めていれば、留学してからの生活も積極性をもって過ごすことができるでしょう。
上記の理由から、Webサイトや留学情報誌、パンフレットなどで見る日本人留学生の在籍率は、あくまでも参考程度にとどめるようにすることが大切です。詳しく知りたい場合は留学エージェントに相談し、過去の実績や昨年の数値を聞くようにしましょう。
ただ、最終的には「日本人が多くてもしっかり勉強するんだ!」という心構えさえあれば、日本人在籍率に振り回されることなく、充実した留学生活を送ることができるでしょう。
ロケーション
語学学校のロケーションもさまざまです。例えば以下のような基準があります。
- 大都会の真ん中で学べる学校
- 小さな田舎町で学ぶ学校
- リゾート地・観光地に近い学校
大きく分けて上記3つに分けることができます。あなたはどのような場所で勉強したいでしょうか? 自然が近くにあって旅行もできるところでしょうか? それとも人口の多い大都会でしょうか? 田舎でしょうか?
ロケーションはあなたの留学先でのライフスタイルに関わってきます。また、夏の時期に留学するのか冬の時期に留学するのかによっても、留学する場所は変わってくるでしょう。そのため、あなたが留学する時期の現地の気候についても調べておくと安心です。
授業のコース内容
コース内容を選ぶには、目的が重要です。あなたが留学をして何を学びたいのかを明確にしておくことが大切です。Webサイトで学校の紹介ページがありますから、そこで確認したりパンフレットを読んで確認したりすることができます。
また、留学エージェントを通して、コース内容の特徴について問い合わせてみることもできます。なぜ下調べをするのかというと、学校によってレッスンの数が違うからです。
例えば、午前中から午後まで隙間なく授業が入っているコースから、午前中だけ授業をおこない、午後はアクティビティー活動をして過ごす学校生活もあるからです。
このように、語学学校では留学生向けのアクティビティーがあります。アクティビティー活動は基本的に必須科目ではなく選択科目になっています。そのため、希望者が受講できる構成になっています。
私の場合は「ダウンタウンへの観光ツアー」と「ハイキング」を体験しました。アクティビティーへの参加費用は授業料とは別で支払うのが一般的です。私の場合は現金で参加費を払いました。
アクティビティーの良いところは、参加することで新しい出会いが必ずあります。アクティビティーをうまく利用すれば、語学留学をしてからの友達作りにも困ることはないでしょう。
また、同じような英語の授業でも学校によってその内容は違います。例えば、スピーキング中心の進め方から、ライティングやリスニングなどを中心におこなう授業もあります。さらに、授業時間も週15〜30時間など授業全体の構成も学校によって異なります。
基本的には週15〜20時間が一般的です。このときの1日の授業時間は3〜4時間です。基本的に週5日で授業はおこなわれ、選択するコースによっては週4日になることもあります。
コースの期間もさまざまです。例えば、最短で1週間から受けられるコースから、1年以上の長期コースまであります。
期間はあなたの留学期間によって都合を合わせることができますが、学校によっては授業期間が決められている場合や、短くても1ヶ月コースからしか選択できない授業もあります。
語学留学をする上でのポイントは、「あなたがどれだけ英語漬けの日々を送りたいか」によって授業を選ぶ基準が変わってきます。
しっかり英語の勉強をしつつ、留学先で出会った海外の仲間と充実した留学生活を送る上では、アクティビティーもうまく利用することが大切な行動の一つです。
語学留学先での授業の取得方法
もし、あなたが1年間の長期語学留学をする場合でも1年間分の授業を最初に取らないことをおすすめします。そうではなく、最初は3ヶ月分くらいの授業を申し込み、内容が良ければ現地で授業の延長をした方が良いです。
現地で授業を延長していくのには、理由があります。それは、いきなり長期間コースを申し込んで受講した結果、自分には合わないと感じたときに変更が効かないからです。また、モチベーションが続かず途中で飽きてしまうこともあるかもしれません。
ご自身の集中力を継続させるためにも、3ヶ月ごとに授業を更新した方がメリハリをもって勉強を続けることができます。
一方で、最初から1年分の授業に申し込むメリットは、通常より料金が割安になっていることがあります。具体的な金額については学校に確認したり、留学エージェントに聞いてみたりすると良いです。
なお、途中で授業のキャンセルをした場合の返金保証が付いているのか、付いていないのかも確認することが大切です。なぜなら、コースのキャンセルをしても返金対応をしてもらえない学校もあるからです。
もし返金対応できないとなったら、損をするのはあなたです。そのため、返金保証が有無かどうかはきちんと確認するようにしましょう。
上記でお伝えした内容を参考にしながら、長期コースで申し込むメリットとデメリット、短期コースで申し込むメリットとデメリットなどを総合的に判断しつつ、自分の性格も考慮して、授業プランを立てるようにしましょう。
まとめ
人間は環境の生き物ですから、どこに留学するかでその後の英語の上達度が変わります。それは例えば、都会に留学するのか、田舎に留学するかでも上達度は変わります。
そのため、語学留学をおこなう前に考えるべきことを整理しつつ、自分が留学して成し遂げたいことが何なのかを紙に書き出して棚卸ししておくことで、留学する目的と目標が具体的に明確化されていきます。
渡航してからの留学生活を成功させるためのポイントは、目的と目標をしっかり決めて、留学先の国をリサーチしてきちんと準備することです。
今回、上記でお伝えした「留学する前に考えておくこと」と「7つの基準」を参考にしながら具体的な語学留学先を決め、あなたの理想とする留学を実現させましょう。