私はカナダに4年間留学した経験があります。過去に、初めての人とお会いする場で「実はいま、私の息子が留学を検討しているので、いろいろと留学について教えて欲しい」と相談を受けたことがあります。
後日、その息子さんとお会いした際にこんな質問を受けました。それは、「留学して良かったことやメリットは何ですか？」という内容でした。
私はカナダで高校生活を過ごしたため、英語の他にも様々なことを吸収することができ、その経験は今でも人生の礎となっています。
ここでは、長期留学（3〜4年間）した場合のメリットを3つに絞って紹介していきます。
目次｜このページでわかること
メリット1:英語力がつき、仲間が増え、教養レベルが上がる
留学すれば多少なりとも英語力は誰でも身につきます。
まったく英語に自信がない人であれば、最初の1年目は自分が思っていることをなかなかうまく話せず、悩むことがあるかもしれません。
ただ、長期留学であれば現地で生活をしなければいけませんので、必然的に英語力は伸びていきます。
中には「長いこと留学をしたのに英語力がつかなかった」と言う人が稀にいますが、それはありえません。ましてや、長期留学であればなおさらです。
厳しい言葉かもしれませんが、長期で留学したにも関わらず英語力がそこまでつかないというのであれば、それは単純にその人が「努力」をしていなかっただけなのです。
例えば、ビリヤードをやったことのない人が、毎日1年間継続してビリヤードを練習すれば、1年後は上達しているでしょう。考え方はこれとまったく同じです。
もちろん、人によって英語力が身につく「スピード」は違いますが、時間と体力を思いっきり使って努力すれば、必ず英語力はつきます。
それが1年経って急に伸びるのか、2年で伸びるかの違いでしかありません。留学をして英語環境に身を置いているわけですから、ゼロはありえません。英語力は必ずつきます。
そして、英語力がつけば、自然と仲間が増えていきます。なぜなら、世界の共通言語の一つは英語であり、語彙力が増えることで、異国の人とコミュニケーションが取れる領域が広がるからです。
私の場合、交友関係はアメリカ、カナダ、オーストラリア、フランス、ドイツ、ノルウェー、アルゼンチン、ドバイ、香港、韓国、台湾など多くの仲間に恵まれています。
コミュニケーションのできる範囲が広がれば、自ずと会話で拾える情報が増え、必然的に友人が増え、国際的な視点を磨くことができます。
たくさんの仲間を持つことで、性格がより明るくなりますし、何事に対してもポジティブな考えで物事を進められるようになります。
さらに、自分と違う価値観を持つ人と交流をすることで、複数の考えを同時に学べ、視点が広がり教養レベルが向上します。
ただ、上記でお伝えしていますが、努力は必要になります。いきなり上達することはありませんから、自分を信じて、一つひとつ前向きに取り組んでいくことが大切になります。
それを乗り越えた結果、自分に自信がみなぎり留学生活がより一層、楽しいものになります。上達していることを実感すると、さらにモチベーションと好奇心が高まり、「もっと勉強しよう」、「もっとがんばろう」、「私はできる」とやる気が格段と上がります。
メリット2:強い精神力（メンタル）がつく
そもそも留学というのは、最初は誰もがまったくの未体験になります。ですので、型にはまった留学は存在しません。すべてが初体験であり新鮮なものです。
ご両親の都合で留学をする人を除けば、基本的に留学するのはその本人です。そのため、頼りにできるのは留学者本人になります。そう、あなた自身です。自分で物事のすべてを判断し、乗り越えていく必要があるため、必然的に強い精神力が養われていきます。
異文化の中で出会う思いがけない体験、選択の余地がない出来事、避けては通ることができない壁との遭遇、留学先での失敗や挫折と向き合うことはたくさんあります。
たとえば私の場合、留学1年目〜2年目まで高校の学生寮に住んでいました。そして、3年目〜4年目は自分で物件を探し、アパートを借りて一人暮らしをおこないながら高校に通いました。当時18歳でした。
実は、留学1年目〜2年目は私立の高校に通っていました。私が通っていたカナダの私立高校は、公立高校と比べ、英語科目のレベルがおよそ2段階高い学校でした。そのため、私は英語のテストで高得点を取ることができず、毎回ギリギリの点数で単位を取得していたのです。
「このままでは英語で高得点を取れないので、公立高校に移った方がいいかもしれない」と思い、私立高校から公立高校に転校することにしました。
住まいについては、ホームステイやルームシェアも考えました。しかし当時の私は、「安心領域から抜け出さないと、ここで成長は止まるのではないか」と感じていたため、学生寮から思い切って、アパートを借りて一人暮らしをする選択をしました。
「一人暮らしをしよう」と決断した理由は、自分を次のステージに上げたいという欲求が強かったからです。誰かと一緒に生活を共にすれば安心です。ただ、行き過ぎると甘えになります。
自分で物件を探し、インターネットの契約、固定電話の契約、必要最低限に食器や家具類を揃え、週末はバスに乗ってスーパーに買い出しに行くなど、ありとあらゆる全てのことが初体験で新鮮でした。
炊事、洗濯、掃除など一人暮らしを継続していく上で必要な土台もこのときに鍛えられました。
留学先で一人暮らしをしていたので、人に相談することなく、自分で決断して進めていかなければいけないこともありました。
私の場合であれば「家はどこに借りようか？」「交通のアクセス、学校との距離、スーパーの位置などを考えるとこの物件が良いのか？」「こんなときはどうしたら良いのか？」などと自問自答を繰り返しました。
失敗もたくさんしました。たとえばバスの乗り場を間違え、目的地とは反対の方向へ行ってしまったこともありました。
また、知らない人から電話がかかり話を聞いてみると必要のない新聞の勧誘だったり、熱をだして体調を崩しながら薬局に行き、違う薬を購入して家に帰ったこともありました。
ただ、このような経験から自分で創意工夫をしながら積極的に前に進んでいる感覚がとても楽しく、孤独に耐えるだけの自立心を培うことができました。
英語力と精神力の両方が成長している実感を感じることができたため、この決断は私にとって正しい選択となりました。
留学をすると必ず試される出来事に出会います。学校の授業が理解できず苦しんだり、思うようにテストの数字が伸びず一人で焦ったり、友人との付き合いでどうしたらいいのだろうと悩んだりすることもあるでしょう。
自分で一つひとつ決断し、試しながら進まなければいけないことが山ほどあるため、ときに不安になる時期もあるでしょう。私も同じでした。
しかし、その不安や心配事を乗り越えた先に、強い精神力を勝ち取ることができ、英語力に磨きがかかり、見える世界がそれまでとは比べものにならないほど大きく広がっていますので安心してください。必ず成長できます。そしてあなたの英語力も伸びていきます。
私は結果的に1人暮らしを2年間続け、カナダの高校を無事に卒業しました。お陰で、世界中どこに行っても生きていけるだけの「自信」をつけることができました。
そのため、あなたも大丈夫です。やればできます。
メリット3:留学では日本にいたら味わえない経験ができる
海外留学を経験すると、現地でしか味わえない体験をすることができます。
その一つに「授業の進め方」があります。日本の学校は先生が一方的に教えていくスタイルが基本ですが、海外の場合はそんなことはありません。グループワークやプレゼンテーションなどは毎日のように行われます。
インプット中心の日本の授業とは違い、海外ではアウトプットが中心となります。自分の意思を伝え、相手の意見を聞き、コミュニケーションをたくさん含んだ授業がとても多いのが海外教育の特徴です。
日本の教育では、先生が答えを教える授業形式が一般的ですが、海外の授業ではヒントを与えながら導いていくという方が正しいかもしれません。そのため、生徒側はしっかりと準備をしなければいけませんから、自分の意思を周囲に伝える力が自然と養われていきます。
また、日本の学校では基本的に教師が生徒のいる教室に向かいますが、海外では逆です。生徒が教師のいる教室に向かいます。教える側＝先生、教わる側＝生徒という立ち位置がしっかりと確立されており、教わる側が教室に向かうのが海外では基本的な考え方になります。
このような違いを吸収できるのも留学の楽しい日常の一つです。
留学をして何を学び、どう変わったか
私が留学をして一番大きく変わった点は「意思の力」です。中学時代は学校生活に馴染めず、周囲から嫌がらせを受けていた時期もあったことから、「自分を変えたい」気持ちがとても強い学生でした。
留学してからは、上記でお伝えしたとおり、自分で考え行動できる積極性と自立心に磨きをかけることができました。留学をすると、誰かに答えを教わるのではなく、自分で考え、試し、失敗しても諦めずに進み続ける力を養うことが必ずできます。
このようにできた理由も、振り返ると「自分を変えたい」という気持ちが強かったのだと思います。
「これまでの自分を変えたい」「もっと自分の可能性を広げたい」「一度の人生、日本に留まらず世界を見たい」などの想いがある人には、留学はとてもオススメします。
なぜなら留学をすると、英語力はもちろん、新しい友情、哲学、教養、精神力、行動力、日本の素晴らしさ、日本とは違った留学先での新しい体験など、本当にたくさんの力と学びを総合的に身につけることができるからです。
長期留学による英語学習によって、あなたの人生を大きく飛躍させてください。
