留学希望者が知るべき「寮生活のメリット」と「寮生活の捉え方」

留学先での滞在方法のうち、「ホームステイ」の次に多いものとして「寮生活」が挙げられます。私が海外へ長期留学をした際、最初に利用した滞在方法は「当時通っていた高校の寮」でした。私はそこで2年間の寮生活を送りました。

そして実際のところ「寮生活」といっても、高校や大学、カレッジなどによって寮の形態はさまざまです。

私の場合は「完全な寮」でした。どういうものかというと、「男子寮」「女子寮」と分かれており、大人数の生徒ですべてを共有する寮です。例えば食堂、トイレ、シャワールーム、コインランドリー、フリースペースなどを共有します。

このような寮の場合、基本的に自分たちの部屋には鍵が付いています。私の場合は、一つの部屋をルームメイトと2人でシェアをする部屋でした。(部屋の鍵は2人分用意されています)roommate

※留学1年目(当時16歳)の私。隣はルームメイトのカナダ人です。

私の経験上、寮生活はとても面白くて、いろいろな学びがあります。その理由は、さまざまな国からの留学生が一つの寮に集まるため、とても刺激的だからです。

留学生それぞれで英語レベルにバラつきはあるものの、来ている留学生は各々の目的や目標があるため意識が高いです。そして、勉強熱心な学生が多くいるのが寮の魅力の一つです。

このページでは、私が経験した「寮生活のメリット」と「寮生活を楽しく過ごすための考え方」についてご紹介します。

目次|このページでわかること

寮生活のメリット1:各国の仲間ができ、英語力が向上する

1つめのメリットは、「仲間と出会え、英語力が向上すること」です。私が住んでいた寮には、さまざまな国からの留学生がいました。例えば、カナダ(違う州から来ている)、韓国、台湾、香港、フランス、スペイン、ドイツ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンなどからの留学生が来ていました。

そのため、寮内は本当にグローバルな雰囲気でした。各国の文化や習慣、考え方などを学ぶことができ、自然と人のつながりも広がっていきました。

寮に住んでいると、基本的に友達ができないことはありません。誰かしら必ず声をかけてくれますし、一人にさせない雰囲気があります。もちろん、自分から周囲に対して話しかけた方が、寮の雰囲気にも早く慣れることができます。

寮には、同学年の学生だけではなく、年下や年上の留学生も一緒に住んでいます。「学校内で出会う仲間」と「寮で出会う仲間」の両方が存在するため、友人作りはすぐにできます。また、情報交換も盛んに行われていますので、テスト対策などを共有すると勉強がさらにはかどります。

その結果、必然的に英語力は伸びていきます。また前述の通り、寮内には大勢の仲間がいるので、「いつでも」「どこでも」「誰とでも」英語でコミュニケーションを取ることが可能です。

自分から積極的に周囲と関わり、「楽しむ気持ち」を持って寮生活や普段の学校生活に取り組んだ方が、英語学習の成果が出やすいです。

その他にも、寮内の仲間とのアクティビティーがあります。例えば、Movie timeといって一緒に映画を観る時間がありますし、Snack timeといって一緒にお菓子を食べてフリートークをする時間もあります。

さらに、冬になればクリスマスツリーを飾ったり、天気が良ければBBQをすることもあったりしました。このように楽しいイベントも寮側で用意している場合が多いです。

Christmas Tree
※最後列の右でピースサインをしているのが私です。(この中では他に、カナダ人、韓国人、中国人、ドイツ人がいます。)

私の場合、寮で出会った仲間とは今でもSNSなどでの交流が続いています。留学先で一緒に勉強した仲間であり、同じ寮でさまざまなことを分かち合った仲間は本当に特別な存在です。

そのため、ぜひあなたも寮生活を通じて、一生繋がり合える仲間を作ってください。

寮生活のメリット2:学校の敷地内に寮があるため、通学が便利

寮生活における2つめのメリットは、「通学に便利なこと」です。基本的に寮は、学校の施設内にあります。ホームステイやアパートでのルームシェアなどに滞在している留学生の多くは、学校まで車やバス、または電車などを使って通っています。

一方、学校の敷地内に住んでいる寮生にとっては通学時間がかかりません。そのため、移動時間を省くことができ、放課後などでたくさんの時間を自分の投資に使うことができるのです。

例えば、「英語の勉強をする」「スポーツなどのクラブ活動に入る」「仲間作りを行う」などに充てることができます。

私の場合、サッカーを10年以上経験していたことから、留学先でもサッカー部に入りました。放課後は現地の生徒や他国から来ている留学生と、英語でのサッカーの練習や試合がほぼ毎日のようにありました。そのため、当時の寮生活はとても刺激的でした。

soccer※2列目の真ん中にいるのが私です。(この中では他に、カナダ人、ドイツ人、メキシコ人、アルゼンチン人、韓国人、中国人がいます。

部活などに所属することによって、下級生や上級生などのクラスメイト以外の学生とも知り合うことができます。そのため、部活を通じて友達を増やすこともできます。

そのため、部活(クラブ活動)などには積極的に参加し、周囲の留学生や現地の学生と関わることを強くオススメします。そして、スポーツなどを通じて英語力を伸ばすこともできます。

実際に、学校の敷地内にある寮に住むと、周囲の留学生や現地から来ている学生と仲良くなるスピードが本当に早いです。

さらに、「交通費などのお金を節約することができる」「移動時間を省くことができる」「英語力を伸ばすことができる」などのたくさんのメリットがとても多くあります。

そのため、ぜひ敷地内にある寮を有効活用して、留学生活を思いっきり充実させてください。

寮生活のメリット3:現地生活に必要なものがすべて揃っている

寮生活における3つめのメリットは、「環境が整っていること」です。例えば、寮のカフェテリアに行けば必ず何かしら食べ物やジュースが置いてあります。私が住んでいた寮では、3食の食事はもちろん、お菓子やケーキ、アイスクリームなども置いてありました。

寮内には共有の「トイレ」「シャワー」「コインランドリー」「フリースペース」が完備されています。さらに、光熱費などは既に代金に含まれているので、必要以上の出費を抑えることができます。

また、何か困ったことがあれば、いつでも寮長に英語で相談することができます。基本的に、寮長はさまざまな国からの留学生の世話をしているので、必要な場合は自分からコミュニケーションを取るようにしましょう。

さらに、学生の本業である学習面のサポートも充実しています。勉強机、椅子、スタンドライトはもちろん、睡眠を取るためのベッドや衣類を置く収納スペースなど、基本的に生活する上で必要最低限なものはすべて完備されています。

もちろん、個人で使う消耗品(シャンプー・タオル・歯ブラシなど)に関しては自分で用意する必要があります。ただ、大枠はすでに備わっていますので、あまり深く心配する必要はありません。

そして、入寮の申し込みが通れば、何が備品として用意されているかが事前に分かるようにリスト用紙が届くはずです。

ちなみに、私が通っていた学校の寮は校舎の隣にあり、一つの廊下で繋がっているため図書館も利用することができました。集中して勉強したいときや、パソコンや専門書などで調べ物をしたいときなどでは、図書館を利用することもありました。

これらのことから、初めて留学をする人は寮生活を強くオススメします。そして、得られる収穫がとても多いのが寮生活の最大の特徴です。

留学先での寮生活を楽しく過ごすための考え方

寮生活では、基本的にプライバシーを守ることは難しいと考えてください。上記で述べた通り、私が住んでいた寮では、「男子寮」「女子寮」と分かれていました。確かに寮内にはたくさんの留学生がいるため、自分だけの時間やスペースを保つことは難しいです。

そのため、「プライバシーがないのは嫌だ!」「一人の時間は絶対に必要!」「時間で管理されているのは嫌だ!」などと思う人には寮生活はオススメしません。このような方であれば、寮の中でも一人部屋が利用できる所を押さえると良いでしょう。

逆に、「社交的な自分になりたい」「もっとオープンマインドな自分でありたい」「人と多く交流を取りたい人」「集団の中に自分の身を置き英語力を伸ばしたい」などと考える人であれば、寮がオススメです。

私の場合でいえば、根本的に人が大好きです。また、「何がなんでも英語を話す環境が欲しい」と思っていました。「さまざまな国から集まる留学生と一緒に時間を過ごしたい」という好奇心がとても強かったのです。

結局、人が大勢いるところには情報も集まります。そのため、初めての留学生活を充実させようと考えるなら、寮生活の方が勉強になります。

なぜなら、さまざまな国から来ている留学生と時間を共にすることで、新しい価値観や考え方・哲学などを学べるからです。これは一つの財産(価値)と考えることができます。

結論をいいますと、その本人の捉え方次第で、物ごとに対する結果は大きく変わってきます。「自分の空間が持てないことを嫌がるか」「大勢の違った価値観が集まる中に自分の身を置くことで英語力を伸ばすか」のどちらが賢明な判断かは一目瞭然です。

そのため、本人の考え方一つで留学の成果(英語力)が大きく変わることを理解してください。

今回ご紹介した内容を理解した上で、ぜひ寮生活を経験してください。そして英語力はもちろん、留学生活を通して一生付き合える仲間にも出逢ってください。