留学先の寮での貴重品管理方法について

留学をすると自分の身は自分で守らなければいけません。そして、守るべきものの一つに「貴重品の管理」があります。

特に寮生活の場合、「貴重品管理についてはすべて自己責任」が基本スタンスになります。

留学先での貴重品の代表例としては、「パスポート」「現金」「クレジットカード」「パソコン(PC)」「スマートフォン」などが挙げられます。このように、貴重品と一言でいっても細分化するとたくさんの種類があります。

私の場合、ホームステイと寮生活の両方を経験しています。また、寮内で一度だけ自分の私物を盗まれた経験があります。

突き詰めた結果、犯人を特定できたため無事に私の私物は戻りました。しかしこの経験から、ホームステイと寮生活ではそもそも生活する上での考え方が違うことを体感することができました。

そこでこのページでは、私の経験も踏まえた上で「寮生活での貴重品管理方法とその考え方」について解説していきます。

目次|このページでわかること

寮生活での貴重品管理はスーツケースを使う

寮内での貴重品管理方法は「スーツケース」がおすすめです。また、スーツケースの中でも鍵付きが良いです。

特に、鍵付きでスーツケースを閉めた後に自分で数字のパスワードを入れるタイプのスーツケースであれば、よりセキュリティーは頑丈になります。このように二重、三重でロックをして貴重品管理を行う癖をつけてください。

そして、上記の画像のようにスーツケースをクローゼットやタンスなどに片付ける場合は必ず上段に置き、なるべく人の手に届かないような距離にしまうようにしてください。

貴重品が入っているスーツケースは極力、開けないようにすることをオススメします。開けても1週間に1回と決めて、基本的に「保管」を意識してください。

また、自分の部屋で貴重品を仕舞うときには少し工夫しなければいけません。大きく7つに分けることができます。

ポイント1:ルームメイトとの共有ルールを作る

大前提として、寮でルームメイトと生活する場合は「ルールを作る」ことが大切です。なぜなら、寮の場合は集団行動が増えるため、同じルームメイトとのルールを作っておくことはとても重要な考え方になります。

例えばホームステイの場合、基本的には一人部屋をホストファミリーから提供されることが多いです。一人部屋を提供されているホームステイの場合は、ルームメイトがいないため現金などが入っている貴重品を仕舞うときでも周囲の目を気にする必要がありません。

ところが寮の場合、基本的にはルームメイトが存在します。要は、1部屋に2人で生活するのが基本になります。また、基本的にはルームメイトをこちら側で選ぶことができません。

寮長が勝手に割り振りを行い、ルームメイトが決められることが多いです。そして、ルームメイトとの相性は一緒に過ごしてみないとわからないことが多くあります。

そのため、ルームメイトともしっかりコミュニケーションを取るようにしてください。同じ部屋でこれから生活をするわけですので、部屋のルールをある程度決めておくことは非常に重要になります。

例えば、シャワーに入りに行ったり食事に出かけたりすると、お互い部屋を留守にしている状態になります。このとき、「必ずドアに鍵をかける」というような共有のルールを作ると良いです。

鍵をしてドアを閉じ忘れてしまうと、自分の私物を他の誰かに取られても良い状態になってしまいます。これはとても危険な行為ですので、部屋を空けるときは必ず鍵をするようにしてください。

他にも、1週間のお互いのスケジュールを共有しておくと、鍵のかけ忘れを防ぐことができるでしょう。実際に、私もルームメイトと生活をしていたときは、お互いのスケジュールを共有カレンダーを使って確認していました。

このような対策を行うことで、自分たちの身を守る術を身につけることができるようになります。

考え方として、基本的に寮のドアはホテルと違ってオートロック機能が付いていません。そのため鍵のかけ忘れがないよう、日頃からお互いに注意をして呼びかけることが大切になります。

ポイント2:ルームメイトが部屋にいるときはスーツケースに触らない

次に重要なこととして、「ルームメイトがいるときはスーツケースなどに入れている貴重品に絶対に触らない」ということです。当たり前のことかもしれませんが、ルームメイトとの生活が慣れてくると気が緩みがちになります。

なぜなら、英語でコミュニケーションが取れるようになると、楽しい気持ちになり貴重品管理についても気が緩むことがあります。しかし、ルームメイトが目の前にいるときは貴重品に触ったり確認したりすることは絶対に行ってはいけません。

そのため、貴重品を触るときは絶対にルームメイトや他の人がいないときに行うことを意識してください。

ポイント3:人の出入りが多い時間帯はスーツケースに触らない

次に大事なことは、「人の出入りが多い時間帯に貴重品に触らない」ということです。基本的に、留学生は寮内の施設内や各部屋にいます。例えば、部屋と部屋の間の廊下で立ち話をしている寮生がいるでしょう。このとき、廊下から話し声が聞こえます。

このように、人の出入りが多い時間帯などに貴重品を触ることはしないようにしてください。なぜなら、貴重品の整理を行っている間に万が一、他の人が自分の部屋に入ってきたらどうでしょうか。簡単に自分の貴重品のありかがすべてバレてしまう可能性があります。

そのため、人の出入りがあるときは貴重品の整理をする行為は絶対に行わないようにしてください。必ず人の出入りがない時間帯や曜日に貴重品などの整理を行うようにしてください。

ポイント4:机の上を日頃から整理整頓しておく

日頃から身の回りの整理整頓をしておくようにしてください。自分の机の上にある物が整理整頓されていると、何がどこに置いてあるかを把握するのが簡単にできるようになります。

部屋や机の周りが散らかっていると、何をどこに置いたのか忘れてしまうことがあります。そのような考える時間や探す時間を省くためにも、日頃から身の回りの整理整頓をしておくと過ごしやすくなります。

また、自分の私物がまとまっていると、万が一、何か物が盗まれてもすぐに把握できるようになります。冒頭で自分の身は自分で守る精神を理解できるようになると、日頃から整理整頓をしておくことの大切さに気付けるようになります。

そしてルームメイトと話し合い、「定期的に部屋の掃除を行う」などのルールを付け加えることをオススメします。

ポイント5:高価な私物は持っていかない

日本人は特にお洒落な服装をして留学をする人が多いです。しかし、留学先は日本ではなく外国です。ましてや英語や海外生活を通して現地の文化を学びにきているため、ファッションが疎くても問題ありません。

そのため、派手な洋服を持ってきたり高級品を身につけたりして周囲に見せびらかす必要はまったくないことを理解してください。不要な物は日本に置いてくることが賢明です。

万が一、どうしても持っていきたい高価な洋服や腕時計などは、自分の部屋や机の上にそのまま置いておかないようにしてください。盗まれても誰のせいにもできません。

私の場合、ジーパンにT-シャツが基本の服装スタイルでした。T-シャツは10〜30ドルでそれなりに良い物を購入することができます。10〜30ドルであれば、万が一盗まれたり無くしたりしても、心が痛みにくい価格ではないでしょうか。

このように、物を減らして安価な商品で身の回りを固めると生活がしやすくなるのでオススメです。

ポイント6:大金を持たない

寮で生活をするということは、言い換えれば「集団生活」になります。そのため、日頃から大金を持たないことが大切です。大金を持ち歩いて生活をしていると周囲から、「あいつは財布にいつも大金を持ち歩いているらしい」と噂が広まる可能性があります。

基本的に寮で生活をする学生は学校側で適正な学生かどうか、人間性を重視して決めています。しかし、中には悪さをする学生もいます。

このような学生に対してこちらができる対応は、「日頃から大金を持ち歩かない」ことです。具体的な金額は、50ドル以上は持たないようにすると良いです。

私の場合、50ドル以上を使う頻度を極力抑えていました。なぜなら寮の場合、食事や飲み物は基本的に寮での生活費に含まれています。

そのため、必要最低限にだけお金を使うようにして残りは持たなければ問題ありません。もし50ドル以上を使うときは、現地で銀行口座を開設すればまったく問題ありません。

私は現地で銀行口座を開設し、必要に応じて口座に預けたり引き出したりしていました。このように対応すれば問題ありません。そのため、私の財布の中のお金は基本的に20〜30ドルほど入れておけば事が足りていました。

ポイント7:パソコンなどのデータは必ずバックアップを取り、別で保管をすること

貴重品には、パスポートや現金、クレジットカードの他にパソコンの中の「データ」も貴重品の一つです。万が一、留学先でパソコンが壊れてしまったら大変です。

そのため、小まめにパソコンのデータをクラウドサービスなどを利用して保管しておくことをオススメします。また、パソコン情報はクラウドサービスの他にも「USBメモリー」などを利用するのも便利です。

また、パソコンのデータをクラウド上とUSBメモリーなどに分けて置いておくことで、一方がダメになっても復元できる体制を取っておくことを忘れないようにしましょう。

パソコンの中にある情報も貴重品の一つとして考えることができます。そのため、必ずバックアップなどを取っておくことが大切です。

物を盗まれたときの思考の転換法

冒頭で私は、「自分の私物を盗まれたことがある」ということを伝えました。厳密には、私物は私物でも日本から持ってきた「インスタント食品」でした。幸いにも、現金などではなく食べ物だったことから大きな問題にはなりませんでした。

しかし物を盗まれたことは事実です。さらに、私の私物を盗んだのは寮内で日頃から一緒に遊ぶ仲の良い留学生でした。このときの私は彼に腹が立ち、問いただしました。ただ、彼が自分の非を素直に認めたため、私は許しました。

正直ショックを受けたことは確かです。しかし、考え方として「物を盗む方も悪いが、盗まれた方にも原因はある」と解釈をすることができるのではないでしょうか。

事実として、物を取られたが取られる方も詰めが甘かったと考えることができます。このように、すべて自分の責任と考えることで次への対策を考えることができます。

例えば上記で挙げた、「貴重品整理を行うときは周りに人がいないときに行う」「ルームメイトがいるときは貴重品などが入っているスーツケースを触らない」「高級品は留学先の寮に持っていかない」「大金を持たない」などを意識することで未然に防ぐことができます。

「すべての出来事は自分が源である」ということを理解し、貴重品管理については周囲に人がいないことを確認した上で行うようにしてください。

自分の主張がある場合はしっかり伝える

上記でお伝えしているとおり、寮生活は集団行動が多くなります。

このとき、自分が納得できないことや何か意見がある場合は、臆することなく自分の考えを伝えるようにしてください。また、不審なことがあり相談したい場合などもしっかりと自分の意見を言うようにしてください。

寮にはたくさんの留学生が一緒に住んでいます。そのため、少しでも相手から舐められてはいけません。弱気な気持ちになるのではなく、強気に「言いたいことがある場合ははっきり口にする」ことはとても大切なマインドセットになります。

まとめ

留学先の貴重品管理方法としては、スーツケースが一番安心だということをお伝えさせていただきました。

また、貴重品管理は自己責任で行うという考えをきちんと持つことが大切です。

そして、貴重品の整理を行う上での7つのポイントを抑え、万が一物を盗まれたときは人のせいにするのではなく、自分にも原因があることを認識してください。

そして自分の意見がある場合はしっかりと周囲に伝え、周囲から舐められた態度を取られないよう、「自己主張するときはしっかりする」という考え方をもつことはとても重要になります。

今回お伝えした留学してからの寮での貴重品管理方法とその考え方を理解した上で、自分の貴重品のセキュリティー対策はしっかりと行うようにして寮生活に挑んでください。