留学希望者が知るべき、アパート生活のメリット・デメリット

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海外での滞在方法はさまざまあります。例えば「ホームステイ」「寮」「ルームシェア」「アパートでの一人暮らし」などが選択肢としてあります。この中でも、長期留学をする人の滞在方法の一つとして「アパートでの一人暮らし」があります。

物件探し、契約、支払い、生活の基盤作り(自炊、洗濯、掃除、ゴミ捨て)、家具類の調達などすべて自分でおこなうことになります。アパート生活はホームステイや寮生活と比べて、自分でおこなわなければいけないことがたくさんあります。

もちろんその分、英語力は向上します。むしろ、自分の英語力に自信がない人はアパートでの一人暮らしは止めておいた方が良いです。

現地で英語を使って生活していくのですから、それなりに英語力を必要とします。ホームステイや寮などと違って周囲があなたを守ってくれる環境はありません。

私はアパートで一人暮らしを2年間しながら地元の高校に通った経験があります。その上で、このページでは私の経験も踏まえてアパート生活のメリットとデメリットの両方をお伝えします。

目次|このページでわかること

アパート生活のメリット1:自分だけの自由な時間が手に入る

私は冒頭で伝えた4つの滞在方法(ホームステイ、寮、ルームシェア、アパートでの一人暮らし)すべてを経験しました。これらを経験して思うことは、アパートでの一人暮らしが一番、自分だけの自由な時間を確保できるということがわかりました。

ホームステイではある程度の縛られたルールがあります。寮も共同生活なのでルールがあり、自分のスペースをなかなか持つことはできません。ルームシェアも結局は共同生活になるので、自分の時間を確保するのが思った以上に取りづらくなります。

しかし唯一、アパートでの一人暮らしだけは自分の時間を24時間365日いつでも確保することができます。

たとえば、門限がある寮と違ってアパート生活であれば、夜中にコンビニに行くことができます。シャワーだけでなくお風呂に浸かることも可能です。遅くまで勉強していても「早く寝ろ!」などの文句を言われません。

あなたの家ですから、友人を家に招待してホームパーティーなどをして楽しみながら英語力を伸ばすことも可能です。

私の場合であれば、週末の夜などを使って自宅にカナダ人の友達や他国から来ている留学生などを呼んで一緒に食事をしていました。一人暮らしであれば自炊が基本ですから、好きなものをいつでも食べたり周りにもてなすことができます。

要は、24時間365日、すべて自分で時間をコントロールできるのが一人暮らしの最大のメリットです。

アパート生活のメリット2:自発的な行動力が身につく

アパートで一人暮らしをする場合、他の誰かと一緒に住むことはありません。そのため自分の頭で物事を考え、取捨選択する必要があります。自分が考えたことを行動にしなければ結果は得られません。

言い換えれば、自発的に行動しなければ良い生活は送れないということになります。そのため、「考える力」と「行動する力」が必須になります。

たとえば、一人暮らしをすると、生活していく上で揃えるものがいろいろとあります。主に、衣食住の「食」と「住」です。物件探しはもちろん、日本の家族と連絡を取り合うためのネット環境、毎日の食事に必要な食器類、鍋類、調味料、部屋をキレイに保つための掃除道具などを一通り揃える必要があります。

学習するための机や椅子、睡眠を取るためのベッドや毛布などの寝具類も必要になります。これらすべて自分で仕入れる必要があります。

そのため、必然的に現地での生活力が身につきます。また、近所の人と接することで人の温かさに触れることができます。「これよかったら使う?」と物を分けていただく機会に恵まれることがあります。このような出来事があると、「ありがたいな」と感謝の気持ちが湧きます。

このように、地元社会の様子をのぞくことができるので必然的に環境適応能力が身につきます。ホームステイや寮など守られた環境の中で生活をしていたら味わえない経験がたくさんできるのがアパート生活の特徴です。

ホームステイや寮では、生活する上で十分な基盤がすでに出来上がっています。ただ、アパートで一人暮らしをしながら学校に通うというのは、ゼロから環境を構築する必要があります。これがとても良いのです。生きているのではなく、生かされているということを身をもって学ぶことができます。

稀に「アパートでの一人暮らしは、物件探しや手続きなどが面倒」と書かれている留学関連書籍などを目にします。確かに物件探しや契約、支払いなどすべて自分でおこなう必要があるので非常に大変です。

しかし、この「面倒くささ」があなたの英語力と精神力を伸ばしてくれます。実は、この行動力精神力が留学生活を充実させる上で一番重要な要素になります。なぜなら、行動すればするだけ自分に返ってくるからです。

アパート生活での最大のデメリット:英語と触れる頻度が減る

アパート生活でのデメリットの代表格は、「家賃の他に食費や光熱費など出費がかさむ」というデメリットを目にします。結論からいえば、そんなことは当たり前です。寮生活やホームステイの方がアパート暮らしより安いのは考えれば誰でもわかります。

もちろん都会ではなく、田舎などの場所にいけば家賃などを抑えることは可能です。すべては工夫次第です。

ただ、私が考えるアパート生活での最大のデメリットは、前述のようなお金のデメリットではありません。ホームステイや寮生活より、大きく違う点が一つだけあります。

それは、アパート生活の方が英語に触れる頻度が減るということです。

一人暮らしをすると英語で周囲とコミュニケーションを取る回数や量は必然的に減ります。なぜなら、家にいるのはあなた一人だからです。寮やホームステイであれば24時間365日、一緒に住んでいる寮の仲間やホストファミリーといつでも英語で会話をすることができます。

しかし、アパートを借りて一人暮らしをすると話す相手はいません。そのため、意識的に英語環境を自分から作り出さないといけません。

私はアパートを借りて高校に通う前は、寮で生活しながら通っていました。いつでも英語が寮内に飛び交っていたため、必然的に英語を話したり聞いたりする回数は多くありました。

一方、アパートで一人暮らしを始めてからは英語に触れる頻度は減りました。自由な時間や環境が手に入る反面、英語環境を自ら作ることがアパート生活ではとても重要になります。

もちろんアパートでの一人暮らしだからといって、英語力が落ちることはありません。英語に触れる頻度(回数)は寮やホームステイと比べると減るということです。

上記でも伝えていますが、私は仲間を家に招待したり、週末にはカナダ人と一緒に外で遊ぶなどして、自分から積極的に周囲に対して声をかけていました。また、家では学校の宿題の他に自分で勉強するなどして、英語力をキープしていました。

大切なのは創意工夫をして、自分で楽しい留学生活が送れるような環境を作り上げていくことです。

言い換えれば、自分で創意工夫して現状を良くしようと考えられない人は、アパートで一人暮らしをしながら学校に通うことはやめた方が良いです。

一人暮らしに向いている人はどんな人か

最後に、留学先での一人暮らしには向き不向きがありますので、そちらをご紹介します。

第一に、「自分から積極的に行動し、周囲を巻き込める人」が向いています。

アパート生活は寮やホームステイなどと違って守られた環境ではありません。すべて自分で現実を動かさなければいけません。

たとえば、何か困りことがあれば、周囲に対して「こんなことで悩んでいるのだけど、どうしたらいいか?」「誰かベッドとテーブル余ってないか?」など、周囲に声をかけ協力を仰ぐことも重要です。

長期留学で一人暮らしを考えている人は、現地のご縁を必ず大切にしてください。さまざまなところであなたのことをサポートしてくれるからです。真剣に留学生活をがんばろうとしている人に、人は協力しようと考えるものです。

もちろん何かして頂いたら、その分しっかりお礼(感謝の言葉や行動でお礼)をすることを忘れないでください。基本的に田舎は都会と違って協力的な人が多く、人当たりも優しい方々が多いです。

何か困っていることや助けて欲しいことがあれば、一人で悩まずに周囲に打ち明けた方が良い方向に動きます。そのため、積極的に自分から行動し、周囲の協力が得られるような自分作りをしてください。

第二に、「英語力に自信がある人」です。英語力に自信がない人はアパート生活に向いていません。現地で生活するわけですので、ある程度の英語力がないと自分自身も不安になります。

「英語力がついてきたな」と思ったらアパート生活も視野に入れてください。私の経験上、長期留学を開始して最初の2年間が重要です。この2年間でしっかり力をつけることです。その結果、3年目からの行動範囲や英語での発言力に開きが現れます。

最後に、「精神力(メンタル)に自信がある人」です。正直、アパート生活は孤独です。自由な空間と誰からも縛られることなく過ごせることが良いとされますが、その分だけ孤独な時間もあります。

学校では仲間たちと会えるので楽しいですが、帰宅すれば一人で過ごします。ホームステイや寮と違って家にはあなたしかいません。

一人暮らしでは当たり前の炊事、洗濯、掃除などもあなたがすべて自分でおこなわなければいけません。そのため自己管理ができない人はオススメしません。

私の場合、学校が終わればすぐにサッカーの練習(部活)がありました。練習が終わるのが18:30頃です。帰宅すればシャワーを浴び、夕飯を作ります。夕食が終わったあとに15〜20分仮眠を取り、そのあとは机に向かって黙々と勉強を毎日3〜4時間しました。

前述のとおりアパート生活は一人でおこなうため、孤独な心と向き合う必要があります。そして、その心に打ち勝てない人はアパート生活をやめた方が無難です。ホームステイや寮と違って監視はありません。自由に生活ができる分、自分の心をしっかりと律する必要があります。

英語力に自信があり、自分から積極的に行動できる人で周囲から支援してもらえる自分作りができる人がアパート生活に向いています。

これらを理解した上で、長期留学をする人はアパート生活も滞在方法の一つとして考えてください。